フィリピンセブ島留学は英語を学ぶための留学先として、2010年代から日本でも注目を集めています。
特に英語の初心者・中級者に人気の留学先であり、英語上級者が留学先としてセブ島を選ぶイメージはあまり浸透していないのも事実です。
では、英語上級者にとってフィリピンセブ島留学は本当に意味がないのでしょうか。
答えはYESでもあり、NOでもあります。
この記事では 英語上級者にとっての、フィリピンセブ島留学の価値や、留学をおすすめする人、おすすめできない人についてご紹介します。
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英検やTOEICなど英語力を測るテストはさまざまありますが、どのぐらいのレベルなら「上級」といえるのでしょう。
あくまで目安ですが、外国語の運用能力を示す国際標準CEFRを参照してみます。CEFRでは言語能力をA1~C1の6段階で評価します。
「B2以上」であれば、専門分野の技術的な議論を理解でき、また母語話者と流暢に話せるため、英語上級者といえるでしょう。
また下の図はCEFRのレベルをTOEIC L&Rのスコアに換算したものです。
CEFRのB2レベルはTOEIC L&R換算で785点以上、C1レベルはTOEIC L&Rスコアにすると945点以上だと分かります。
CEFRとTOEIC L&Rを参考に、この記事では 「英語上級者」はCEFRでB2レベル以上、TOEIC L&R785点以上と定義します。
「いや、わたしはTOEIC L&Rで800点だけれど、会話はまるでダメで…」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
TOEIC L&Rは4技能のうち「聞く・リスニング」と「読む・リーディング」の能力を測るテストです。
「話す・スピーキング」能力はテスト内容に含まれません。
一方CEFRでは 「聞く・リスニング」、「話す・スピーキング」、「読む・リーディング」、「書く・ライティング」の4技能を評価します。
テスト内容の違いから、英語上級者と定義されるTOEIC L&Rハイスコア保有者でも「会話となるとさっぱり…」という方は少なくありません。
VERSANTより引用
上の図は、英語力テストVERSANTと、TOEIC L&Rのスコアの関係を表しています。VERSANTは日本経済新聞社とピアソンが共同運営する、「英語で聞かれたことを瞬時に理解し、応答する能力」を測るテストです。
VERSANTスコアで58点〜62点がCEFRのB2レベルに該当するとされています。
図のB、E、Fのあたりを見ると、800点代、990点満点近くでもVERSANTの58点以下、CEFRのB2以下の方がいる(そして結構多い)とお分かりいただけるでしょう。
つまり、TOEIC L&R高得点者でも、実践的な英語力、会話力が身についているとはいいきれないと、データからも分かります。
英語上級者について定義し、解説しました。ここからはフィリピンセブ島留学で英語力を上げられる、成長が見込める、意味のある留学にできる英語上級者はどんな方か、お伝えしていきます。
具体的には、TOEIC L&Rや英検など英語力を測るさまざまな試験では高得点だが、話すとなるととっさに言葉が出てこない、会話力にお悩みの方です。
フィリピンの公用語は英語です。現地の言語も使われますが、ビジネスの場や学校、商業施設などで広く英語が使われています。
イー・エフ・エデュケーション・ファースト・ジャパン株式会社によるEPI(英語能力指数)ランキング2022年版では、フィリピンは参加111ヵ国のうち、全体で22位、アジアではシンガポールについで2位(高いレベル)と発表されています。ちなみに、 日本は80位と低いレベルです。
フィリピン人の英語力は高く、さらに語学学校の講師はきちんとした研修を受けている場合がほとんどなため、会話を学びたい上級者にとって遜色ない留学先です。
また フィリピン留学ではマンツーマン授業を基本とし、授業時間は1日8時間程度と、英語をみっちり話せる環境が整っています。
語学学校のなかでも韓国系資本のスパルタ校ですと、初心者にとってはハードすぎてついていけなくなる可能性があります。しかし、英単語や文法の知識が身についている上級者であれば充実した留学にできるでしょう。
過去に留学していた、仕事で英語を使っていたが、現在は英語を話す機会がなく、英語力の衰えを感じるような方にもフィリピン留学をおすすめします。
日本からフィリピンへのフライトは約4時間。時差は日本-1時間と、欧米に行くよりも気軽に留学・滞在できます。
英会話の「感覚」を取り戻したい目的の方は、日系の語学学校への留学もおすすめです。
日系の語学学校は韓国系資本のスパルタ校にくらべて自由に過ごせる時間が多いため、放課後や休日には街に出て、より日常的な会話を実践してみても良いでしょう。
フィリピンでは英語が公用語として使われ、英語を学ぶ・使うには申し分ない環境のように思えます。ここからは、フィリピンセブ島留学に向かない英語上級者について深掘りします。
英語上級者で、さらに学術的な英語や、専門性の高い英語を身につけたい方にはフィリピン留学はおすすめできません。
フィリピン留学はあくまで「語学」を学ぶ機会として捉えておきましょう。
学びたい英語のジャンルにもよりますが、フィリピンの語学学校への留学ではなく、欧米の大学や語学学校を視野に入れたほうが良さそうです。
なお、フィリピンセブ島の語学学校でも、なかには IT英語といった専門的な英語に特化した語学学校・コースもあります。留学の目的をはっきりさせたうえで、留学エージェントに相談してみましょう。
先ほど、フィリピンでは英語が公用語として使われているとお伝えしました。 多くのフィリピン人が流暢な英語を話します。
一方で、家族や友だち、またフィリピン人どうしのフランクな会話ではローカル言語もよく使われます。
ローカル言語はスペイン語やポルトガル語に似ている部分もあるため、フィリピン人が話す英語からはそうしたラテン系言語のなまりを感じるかもしれません。
ネイティブの発音に触れたい方や、 アメリカやカナダなどでの「ネイティブ独特の表現」を学びたい方には向いていないでしょう。
フィリピン・セブ島留学は、初心者・中級者にとっては、マンツーマン授業と豊富な授業時間から欧米留学よりも効率的な留学先といえます。
しかしある程度英語が話せる上級者であれば、目的や予算、好みにもよりますが、フィリピンよりも欧米のほうが向いているかもしれません。
フィリピン・セブ島は、 日本からの近さや授業の充実度、費用の安さから初心者・中級者にとって人気の語学留学先です。
では英語上級者にとってフィリピン・セブ島留学は意味がないのか?この記事では英語上級者の定義から、フィリピン・セブ島留学をおすすめできる英語上級者、おすすめできない上級者について解説しました。
英語上級者が留学を考えるにあたっては、自身の英語力のどの部分をさらにブラッシュアップしたいか、目的をはっきりさせることが肝要です。
Q&AまとめQ&A
大小7100以上の島々からなる東南アジアの島国フィリピンは、島ごとにも特徴が異なります。 国全体に美しいビーチリゾートが散在しており、高級リゾートから自然の美しさを生かしたトロピカルな雰囲気漂うリゾートまで様々。 フィリピンは熱帯性気候のため、1年を通して暖かく、マリンスポーツなどリゾート気分を味わえるのも魅力の一つ。 日本からも4時間の距離にありながら世界第3位の英語使用国のため、フィリピン留学では比較的気軽にリーズナブルに語学を学ぶことができます。