2021年 1月26日 火曜日
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【ビットコインとは②】ビットコインがフィリピンに浸透した送金事情

ビットコインを徹底解説する第2弾です。前回はビットコインとはなにか?それがもたらす経済効果についてお話ししました。
前回の記事は、こちらからどうぞ。

▶︎【ビットコインとは①】当時より○○万倍!?ビットコインってなに?その仕組みと経済効果とは?

第2弾は、フィリピンで進行しているビットコインによる金融革命について紹介します。

まずはじめに、フィリピンのサイト techinasia.com に掲載された記事を翻訳しました。

以下からの文章が翻訳内容です。まずはこちらをお読みください。

1.ビットコインのフィリピンへの送金が増加傾向、その理由は

ビットコイン
https://www.techinasia.com/bitcoin-remittances-rebit-philippines

フィリピンのビットコイン送金サービスであるレビット(Rebit)は、10月から月ごとに取引額が150%も増加しています。

レビットが目をつけたのは、13万人以上のフィリピン人が働く香港です。最新の政府データによると、香港からフィリピンにレビットを通して、約5億米ドルの送金がなされたとされています。

ビットコインによる送金がはじまってまだ間もないことを考えると、ひとつひとつの送金総額がどれほど少額であったとしても、取引金額が3桁で増加していることは、フィリピンのビットコイン業界にとって大きな前進といえます。

「ビットコインによる送金がはじめて行われたのは、今年の第3四半期からなのです」と、レビットの親会社にあたるSCIの製品責任者であるルイス・ブエナベントゥラ2世(Luis Buenaventura II)は指摘しました。

ここ何週間かレビットの数字が非常に高いことについては、フィリピンの文化によるところが大きいと言えます。フィリピンのクリスマスシーズンは世界最長として知られており、数ヶ月にわたりフィリピンに暮らす家族への送金が活発になるからです。

しかしブエナベントゥラは、ビットコインによる送金は、個人とビジネスにもたらすメリットこそが成長の一因であると述べています。

テクノロジー会社がビットコインを給与に使用するようになったため、取引が急増したことも理由のひとつだと彼は言いました。

「個人的な送金だけではなく、雇用者がアメリカにいてスタッフがフィリピンにいるケースのように、企業での利用も多少あります」

1-1.効率的

仮想通貨は価格が激しく変動するため投資資産としては不向きですが、ビットコイン業界は資金の移動と支払いに有効だと主張しています。
その主な理由は2つあり、「早く」て「安い」からです。

通常の決済業務は銀行だと2〜3日間、送金会社のウェスタン・ユニオンでも約1時間かかるのに比べ、ビットコインを使用した決済はほぼ即時で完了します。

ビットコインはユーザー同士の取引の際、より高速なサービスを可能にします。

ビットコインユーザーは自分のデジタルウォレットを介して、別のユーザーから直接お金を送受信できるからです。銀行や送金会社のような仲介業者は必要ありません。

SCIの最高責任者であるミゲル・クネタ(Miguel Cuneta)はこう話します。

「ビットコインは、より効率的で高度な送金方法と言えます。安全かつ効率的に、そして複数の第三者の介入を必要としない送金という点で、これまでとは違った考え方を可能にしているのです」

彼は次のように付け加えます。

「これをより良く理解するためには、インターネットと置き換えてみるのがよいでしょう。電子メールやインターネットでのメッセージ送信が従来の手紙や長距離電話よりも速く、簡単で、大幅に安価であることを人々が理解するや否や、インターネットの導入は急激に増加し、それまでの方法は完全に時代遅れになってしまいました」

1-2.安価

「スピードより重要なのは手頃な価格です。ビットコインは国際的な送金において中間段階の多くを排除しているため、大幅なコストダウンを実現できます」と、SCIのCEOであるジョン・バイロン(John Bailon)は言いました。

バイロンはさらにこう述べました。

「送金が提携銀行を通過するたびにサービス料が取られます。ビットコインでは送信者と受信者でビットコインのやり取りをして、それを現地の通貨に変換するだけの話なのです」

フィリピンにいる海外在住フィリピン人の親戚は、銀行預金・現金書留またはレビットの小売店に受け取りに行く方法で送金を受け取っています。

レビットは送金額のたった1%(と配達料)を請求します。これは銀行や送金会社が請求する5〜8%よりもはるかに低い額です。

フィリピン中央銀行のデータによると、海外在住フィリピン人は2013年に約230億米ドルを本国に送金しています。

フィリピンの送金受領額は中国とインドに次ぐ世界第3位でした。

その金額の5〜8%、それが送金手数料です。この額の一部でもフィリピンの家族に送金して使ってもらうことができたなら、経済が発展するだろうと考えてみてください。

大部分が貧困にあえいでいると思われるフィリピン家庭にとって、それは大きな違いでしょう。食べ物や健康の管理、学費に使えるお金が増えるということです。

またビットコインに比べて、なぜウェスタン・ユニオンや銀行の送金サービス料が高いのか気になるのは当然と言えます。通常は、ビットコイン関連企業が法令順守をしていないために、費用を節約しているからだと説明されます。

従来の送金サービスは、顧客確認プログラム(“Know Your Customer”)やマネーロンダリング防止のルールなどの規制を遵守しなければなりません。

しかし、ビットコインはフィリピンで規制されておらず、フィリピン中央銀行はビットコインの使用に対して勧告以外の措置は何もしていません。

ビットコインの取引が巨額になり世間の注目を集めはじめると、将来的には規制される可能性がありますが、ビットコインスタートアップは動じません。

「規制遵守が将来的にはビットコイン送金の費用を上げることは事実かもしれませんが、送金手順を簡素化することで銀行より費用を低く保つことができるでしょう」と、ブエナベントゥラは結論付けました。

参照元:https://www.techinasia.com/bitcoin-remittances-rebit-philippines


以上、techinasia.comの記事を翻訳して紹介しました。

なお、本文中に「ビットコインはフィリピンで規制されておらず」とありますが、この記事が出たあとに規制が行われています。これについても、回を改めて後ほどじっくりと紹介します。

まずはじめに、ビットコインの送金手数料が安い理由について、文中では「ビットコイン関連企業が法令順守をしていないため費用を節約しているからだ」と説明されていますが、この部分は明らかなミスリードだと思われます。

ビットコインの送金手数料が安いのは、前回紹介したようにビットコインのシステムそのものが中間業者を廃するように作られているからです。法令遵守うんぬんは、その本質とはなんの関係もありません。

では、フィリピンの海外送金事情について、もう少し深く踏み行ってみましょう。

2.フィリピンの海外送金事情

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http://www.indiewire.com/2011/11/project-of-the-day-real-life-filipino-fairy-tale-in-gwapa-50884/

フィリピン人の多くは海外に出稼ぎに出ています。海外に仕事を求めなければ、国内だけでは仕事にありつけないフィリピン特有の事情があるからです。

出稼ぎのために海外に出た人々のほぼ全員が、フィリピンで暮らす家族に送金を行っています。フィリピン人は家族愛がひときわ強い民族です。家族と離れて泣きながら海外に赴くのは、仕送りによって家族の生活を支えるためです。

フィリピン人が毎月行う海外送金には、決まったパターンがあります。

それは、1ヶ月分をまとめて1回で送ることは通常しないという習慣です。

高い送金手数料のことを思えば、まとめて1回で送った方がはるかに得です。しかし、彼らは毎月数回に分けて送金しています。そのため、送金するごとに高い送金手数料を払わなければなりません。

たとえば1回の送金に3千円かかったとすれば、4回に分けて送ることで1万2千円の手数料がかかります。これは明らかに損です。

では、なぜわざわざ数回に分けて送金するのかといえば、その背景にはフィリピン特有の文化が根付いているからです。多くのフィリピン人は手元にお金があると後先考えずに使い切ってしまうという習慣をもっています。

その計画性のなさは日本人としては信じられないことですが、フィリピンではごく当たり前のことです。その気質がフィリピン人のもつ大らかさにつながっているだけに、一概に悪いこととも言えません。

フィリピンでは給料が月に2回に分けて支給されるのが普通ですが、これも「宵越しの金は持たない」フィリピンの文化から生まれた慣習です。月一回の支給だと1ヶ月もたずにすべて使い切ってしまうため食費さえなくなり、生活に困ることになるからです。

海外送金にしても同じです。家族のことを思うからこそ、手数料分が丸損になることを知っていながら、あえて数回に分けて送金しているのです。

そのため海外送金の手数料の高さは、海外で出稼ぎをしているフィリピン人に重くのしかかってきます。

また、海外送金には目には見えない損失も含まれています。

海外送金の際、多くのフィリピン人は銀行よりも手数料が安くて済むウエスタンユニオンやマネーグラム、アイレミットなどの送金会社を使って送金することが一般的です。

送金のためには、送金会社のカウンターまで足を運ぶ必要があります。たいていの場合、送金会社は歩いて行ける距離にはないため、バスや地下鉄などの交通機関を利用するよりなく、その分の交通費が発生します。

さらに問題は、送金のために仕事を早退しなければいけないことです。送金会社へ行くためにはバス停や駅まで歩かなければなりませんが、海外は治安が悪いところが多いため、暗くなってから小金を持って歩くことには危険が伴います。

そのため、多くの人はわざわざ仕事を早退し、明るいうちに送金会社へと向かうのです。早退をすれば、当然ながら給料は減ってしまいます。本来は稼げたはずの時給が、送金手続きのために目減りすることになります。

「時は金なり」という諺(ことわざ)があるように、送金手続きに費やす時間は損失につながります。送金会社までの往復時間や、送金会社で長蛇の列に並ぶ時間も損失のひとつです。

高い送金手数料に加えて、こうした目には見えない損失も、送金するごとに積み重なっていきます。

ところがビットコインは、これらの問題をすべて解決してしまいました。

ビットコインの手数料はかなり安いため、送金を1回で済ませようと数回に分けようと大差ありません。

パソコンやスマホの操作だけで送金手続きが完了するため、長い時間と交通費をかけて送金会社に足を運ぶ必要もありません。治安が悪いなか現金を持ち運ぶリスクもなければ、仕事を早退しなくても、行列に並ばなくても、いつでも好きな時間に送金できます。

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http://emcph.net/philippine-nbi-101-how-to-apply-for-nbi-online/

今の時代はスマホであれば、ほとんどの人が持っているはずです。送金会社の行列に並んで待っている際も、多くの人がスマホを片手にゲームをしたり、webを見たりしています。

ビットコインであればスマホひとつでいつでもどこでも、安く早く送金ができるのに、なぜわざわざ送金会社に出向き、長い行列に何時間も並ばなければいけないのかと疑問に思うのは当然のことでしょう。

ビットコインは海外在住のフィリピン人にとって、まさに理想的な送金手段になっています。

3.フィリピンでのビットコインの換金

フィリピンに見られるように、ビットコインが投資としてではなく仮想通貨として実際に使われているのは、先進国よりも発展途上国のほうが盛んです。発展途上国では、銀行口座の代わりにビットコインが流通し始めています。

日本では誰でも簡単に銀行口座をもてるため、口座を開くことが難しいという認識はありません。それだけに、世界を見渡せば銀行口座を持ちたくても持てない人が、20億人もいるという現実を見過ごしがちです。

しかし、発展途上国になると事情は異なります。発展途上国では銀行の数自体が少なく、口座を開くにも様々な条件が課されているため一筋縄ではいきません。

これまでの世界では、銀行口座のあるなしが社会的格差へとつながっていました。

たとえばフィリピンです。

フィリピンでも銀行口座は高嶺(たかね)の花です。近年の経済成長にともない、銀行口座を持つ人が急激に増えてはいるものの、全人口からみればわずか30%に過ぎません。

銀行口座には最低残高の規定があるため、貧しい人々はそれを維持することができないからです。日々の食費に困っている状況では、口座にお金を残しておく余裕などありません。

フィリピンをはじめとする発展途上国では、銀行口座を持つためのハードルが高く、一般庶民ではなかなか手が届かないのです。

それでも現代では、政府からの助成金など銀行口座にお金が振り込まれることが多々あります。自分の口座を持っていない場合、フィリピンでは誰かの口座を借りることが一般的です。

借りた以上は手数料が発生します。振り込まれたお金を現金として受け取るために、口座を借りた人に20〜30%もの手数料を取られることもあります。

しかしビットコインが普及したことにより、このような馬鹿げた手数料を払う機会が劇的に減っています。

かつては海外送金に銀行口座が使われることも多く、地元の資産家の口座を借りるために高い手数料を払わなければいけませんでした。

口座に振り込まれたお金を現金に換えなければ実際には使えないように、ビットコインもフィリピンペソに換える必要があります。

3-1.ビットコインをフィリピンペソに

ビットコイン

ビットコインの普及に伴い、ビットコインを現金に換える手段も次第に手軽になってきました。

フィリピンでビットコインが海外送金として利用されはじめた当初は、送られてきたビットコインを現金に換えるために人を介することが普通でした。その当時、よく使われていたのが「アブラ」というアプリです。

ビットコイン
http://www.newsbtc.com/2017/01/17/abra-hopes-to-ease-bitcoin-transactions/

アブラはタクシーのUberとよく似たアプリです。アブラを立ち上げると近隣のマップ上にテラーのアイコンが現れます。「テラー」とはビットコインと現金とを交換してくれるユーザーのことです。

換金を希望する人はあらかじめビットコインを、アブラにある自分のアカウントに移しておきます。次にアプリを見ながら取引するテラーを選びます。

現金に換えるための手数料はテラーが自由に決めることができました。1.5%のテラーもいれば3%のテラーもいます。近くにいるテラーのなかから、もっとも手数料の安いテラーを選ぶのが一般的です。

テラーを選んだあとは、待ち合わせ場所を決めて実際に落ち合います。

ビットコイン
https://www.youtube.com/watch?v=w3rJgvCb9Ww

テラーがビットコインと現金との交換に応じてくれた時点で、アブラにあるビットコインの残高がテラーに移るシステムです。

アブラ社にはシステム手数料として0.25%の手数料を払うだけでよかったため、多くのフィリピン人がアブラを利用していました。稼働率も高く、アブラのシステムを使うことでビットコインが送金されてから1時間後には現金と交換することができたのです。

アブラのシステムは当時、画期的なものでしたが、今はもっと便利になっています。

ビットコインと現金を交換してくれる企業は今日では複数あり、パソコンやスマホを操作するだけで手持ちのビットコインを自分の銀行口座にフィリピンペソとして簡単に振り込むことができます。

もちろん銀行口座を持っていなくても、まったく問題ありません。

たとえばフィリピンのスタートアップCoins.phを利用すれば、Security Bankの450のATMを使用することで、送金されたビットコインを簡単に現金に換えることができます。ビットコインを蓄えておくことで、デビッドカードとして使えるカードも発行されています。

ビットコインを現金化することにおいて、今日のフィリピンは日本よりもはるかに便利な環境にあります。

4.フィリピンではじまった金融革命

現在のフィリピンで起きていることは、ひとつの金融革命と呼べるほどの大きな変革です。ビットコインの登場により、フィリピンの多くの人々が銀行に背を向け始めているからです。

フィリピン全体で見た場合、まだまだビットコインの普及率は低いのが現実です。しかし、人々がわざわざ銀行に足を運ばなくてもよい環境は次第に整いつつあります。

ビットコインを現金化する術にしても、ビットコインが出始めた頃と現在では隔世の感があります。ビットコインへの依存度が急ピッチで進んでいる今、ビットコインのインフラ整備はますます利便性を高めているからです。

フィリピンにおいて、送金手段としてビットコインを選択する人が増えているのは、極めて自然な流れです。

考えてみれば情報技術が進んだ現代においては、国内か海外かに関係なく一瞬にして情報のやり取りができます。それにもかかわらず、たかが海外に送金するだけで高い手数料がかかったり、送金に数日、あるいは数週間も時間がかかること自体が異常といえます。

国際送金会社を使えば銀行よりも安く早く送金できますが、そのからくりは世界中に支店を設けることで送金額を立て替えているに過ぎないことは、前回説明した通りです。

では銀行を通すと、なぜこれほど日数がかかるのかと言えば、銀行の送金業務が電子ベースではなく、いまだに紙ベースで行われているからです。情報技術が進化したことによるメリットを、銀行はほとんど受けていません。

電子ベースではなく紙ベースで進められるため、送金が完了するまでに多くの銀行を経由しなければならず、その分日数と手数料が無駄にかかっています。

こうした現状について、スペースシフト社創業者のエリック・ボーヒーズは興味深い発言をしています。

「銀行システムを使って中国に送金するのに比べたら、重たいハンマー台を中国に送りつけるほうがまだ早く着くんですよ。おかしいでしょう。お金はすでにデータになってるんですよ。札束を詰め込んで送るわけじゃないんですから」

たしかに、重い荷物をEMSで送るよりも海外送金の方が日数がかかる現在のシステムは、どこかおかしいと言えるでしょう。

ビットコイン
http://xatoo.blogspot.jp/2015/02/

「お金がデータになっている」という指摘も、その通りです。

私たちが当然のように使っている銀行口座にしても、その実態は情報に過ぎません。私たちが預けたお金が、銀行の金庫に現実にすべて保管されているわけではありません。

多くの取引は口座の残高が増えたり減ったりしている記録に過ぎず、現金ではなく情報のやり取りに終始しています。それは海外送金であろうと一緒のことです。

元は情報であり電子ベースではじめから終わりまで処理できるものを、現在の海外送金のシステムではあえて紙ベースにすることで、多くの日数と手数料の高さという大きな無駄を生んでいるのです。

それに対してビットコインは、従来の紙ベースをすべて電子ベースで処理していることになります。ビットコインはあたかもマジックのように、送金に伴う無駄をすべて取り除いてみせたのです。

5.クレジットカードからビットコイン決済へ

ビットコイン
https://blog.cex.io/news/how-sell-bitcoins-and-withdraw-card-15097

同じことはクレジットカードの決済でも生じています。クレジットカードを使った決済は一瞬で終わるため、いかにも素早く処理されているように見えます。

しかし、実はお金がお店の口座に届くまでには何日もかかるという不合理なシステムになっています。

クレジットカードを使った決済の過程には、仲介業者が多数入り込んでいるからです。

現在の金融システムでは、取引自体は情報処理の技術を使うことで簡単に素早く処理できます。ところが送金と決済に関しては面倒な手続きが求められています。そこからは、クレジットカード業界も銀行と同じく旧態依然としている現実が浮かび上がってきます。

このような状況にビットコインは風穴を開けました。ビットコインと現金を交換するためには仲介業者を必要とするものの、ビットコインを使った送金や決済において、その中間に仲介業者はいっさい入り込む余地はありません。

そのため、わずか数分ですべての取引が終了し、ビットコインを現金に交換することができます。

こうしたビットコインの特性を活かし、クレジットカードによる決済の代わりにビットコインを使った決済に対応した店舗が、今や世界中で増えています。

フィリピンも例外ではありません。今はまだ少ないものの、このままビットコインが浸透していけば、フィリピンのさまざまなショップがビットコインを使った決済に対応することになると予想されます。

そのスピードは、日本をはるかに上回ることでしょう。

なぜならフィリピンではクレジットカード自体が浸透していないからです。

5-1.フィリピンではクレジットカードは浸透していない

現在、クレジットカードを持っているフィリピン人は、国民全体のわずか数パーセントに過ぎません。審査に通ることが難しい面もありますが、そもそも銀行口座を持っている人が極端に少ないためです。銀行口座がなければ、クレジットカードも持てません。

クレジットカードで支払うと、現金で支払ったときと比べて3%分料金が上乗せされることも大きなマイナスポイントです。フィリピンに限らず東南アジアでは、クレジットカードを使うと手数料分を上乗せされることがあります。

日本ではクレジットカードを使った方がポイントが貯まって得をすることがありますが、フィリピンではクレジットカードを使うことで得になるケースはまずありません。クレジットカードで支払えば、手数料分を確実に損します。

ちなみに日本でもクレジットカードを使えば手数料3%が発生します。日本などの先進国ではこの手数料分をショップ側が負担しているため、普段は意識しなくて済んでいるだけのことです。

補足:
日本ではクレジットカードの手数料は加盟店が負担する契約になっているため消費者が負担することはありません。また店側が消費者に手数料分を請求することは契約違反となります。但し、EU諸国など一部の国では、消費者に手数料を請求することが法的に認められている場合があります。(英国は2018年より廃止予定)

銀行口座自体を持てないこと、そしてクレジットカードを使うメリットがないことから、フィリピンではまったくといってよいほどクレジットカードは普及していません。

一方、お店の側にしてもクレジットカード決済を導入することのハードルは高くなっています。ショップがクレジットカード決済を利用するためには専用の機材を購入しなければいけないことに加えて、クレジット会社との面倒な契約が必要となるためです。

ただでさえ利用者が少ないクレジットカード決済を、そこまでして導入するメリットなどショップにはありません。

では、ビットコインはどうでしょうか?

ビットコインの決済を利用するためには、クレジットカード決済と違って機材などなにもいりません。パソコンかスマホさえあれば事足ります。

ビットコインの決済を利用するための審査もなにもないため、どのショップでもすぐに導入できます。

ビットコイン決済では客が支払ったビットコインが手元に届くまで、わずか数分です。クレジットカードの場合は客が決済してから実際にショップの口座に振り込まれるまで数日から数週間、あるいは数ヶ月かかることに比べれば、驚異的な早さです。

ビットコイン決済に対応すれば現金決済とほぼ変わらないため、ショップとしても大きなメリットを得られるわけです。

得があり、しかも導入が簡単なことから、今後ビットコインによる海外送金が増えてくれば、フィリピンのさまざまなショップがビットコイン決済に対応するようになると予想されています。

たとえば近所の雑貨店である「サリサリストア」がビットコイン決済に対応してくれれば、海外から送金されたビットコインをフィリピンペソに換えることなくそのまま使えます。

そうなれば換金手数料さえいらなくなります。

サリサリストアがクレジットカード決済を利用しようとしても、商いの規模が小さすぎて無理ですが、ビットコイン決済であればすぐにでもはじめられます。ビットコイン決済に対応することでサリサリストアが受けるデメリットなど、なにひとつ見当たりません。

ビットコイン
https://makigingoyon.com/2016/07/flash-back-friday-in-bantayan-island-cebu-philippines/

フィリピンの街中で見られるサリサリストア

こうしてサリサリストアやローカルな食堂や総菜の販売店、街角の屋台までがビットコイン決済をはじめれば、フィリピンは急速に現金社会からビットコイン社会へと移行することになります。

つまり、現在は先進国に比べて立ち後れているフィリピンの金融インフラが、あっという間に日本などを追い越して世界最先端になる可能性があるということです。

その構図は、電話網が発達してない発展途上国ほど、固定電話を飛び越えて携帯電話が瞬く間に普及したことと同じです。たとえばフィリピンでは固定電話の回線インフラは未だに弱く、雨が降っただけで支障が出ます。固定電話の普及率はわずか3.7%に過ぎません。

ところが携帯電話となると、その普及率は人口比で109%を超えています。日本とほぼ変わらない高い普及率を示しています。

同じことがクレジットカード決済でも、近い将来に起こることでしょう。クレジットカード決済を飛び越えてビットコイン決済がフィリピン全土に普及することは、もはや避けられそうにありません。予想より遅いか早いかの違いはあっても、いずれそうなります。

そればかりかフィリピンにおいては、フィリピンペソよりもビットコインの方が主要な通貨になる未来を予測することさえ難しくありません。

6.スマホの普及率とともに伸びるビットコインの浸透率

ビットコイン
http://sociable.co/mobile/businesses-texting-customer-service/

ビットコインの決済にはスマホかパソコンが必要ですが、フィリピンではスマホをもつ人の割合が急激に増えています。今のところはまだ普及率40%弱ですが、すでに銀行口座を持つ人の数を上回っています。

日本では高価というイメージが強いスマホですが、フィリピンでは中国製の安価なスマホが出回っているため、手軽に買い求めることができます。新品のAndroidでも3000円ほどで購入できます。中古であれば2000円以下でも入手できます。

月々の料金も日本のように固定制ではなく、使いたいときだけ料金を払うプリペイド式が90%を超えています。使用頻度が少なければ月100円もあれば十分に使えます。

そのため、貧困層に属する人々の間にもスマホは普及しはじめています。日本からフィリピンにやって来ると、貧しいはずのフィリピン人の多くがスマホや携帯電話をいじっている光景を目にして戸惑う人も多いようです。

貧困層の人々の仕事は日雇いのため、スマホがあればそれだけ仕事にありつける確率が上がるという事実も見逃せません。

また、貧困層の人々ほど人とのつながりを大切にします。人とのつながりが、お互いを助けることになるからです。その意味ではスマホはまさに、貧困層の人々にとっての命綱といえるでしょう。

今後、ショップでのビットコイン決済が当たり前になれば、海外から仕送りされてきたビットコインを換金しなくても済むため、現金で支払うよりもビットコインで支払ったほうが得になります。そうすればスマホの購入料金などすぐに元が取れます。

フィリピンにおけるビットコインの浸透度とスマホの普及率は、互いに関連性を深めながらも、これからも右肩上がりに伸びていくことでしょう。

それとともにスマホは、従来までの銀行の役割を果たすことになります。ビットコインとスマホがあれば、もはや銀行は不要なのかもしれません。

これが、現在フィリピンで静かに進行中の金融革命の実態です。フィリピンではじまったビットコインによる金融革命が、どのような世界を導き出すのか、今や世界中から熱い視線が注がれています。

第二弾は以上です。

次回は、「ビットコインの登場によって私たちの住む世界がどう変わったのか?」から話を始めたいと思います。

ドン山本
ドン山本
その後、持ち前の放浪癖を抑え難くアジアに移住。フィリピンとタイを中心に、フリージャーナリストとして現地からの情報を発信している。

監修サイト:日本とフィリピンの第二次世界大戦

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