2020年 10月26日 月曜日
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新型コロナウイルスとは?日本とフィリピンの対策の違い

この記事は、2020年2月11日公開(最終更新3月16日14時)です。
最新のフィリピンセブ島の様子ついてはこちらをご覧ください。
新型コロナウイルス|フィリピン入国制限とセブ島の状況【最新情報】

 
新型コロナウイルスによる感染が拡大し、テレビ・新聞・ネットには様々な情報があふれ、どの情報を信じたらよいのかわからない状況が続いています。

そこで今回は、ズバリ「新型コロナウイルスとは?日本とフィリピンの対策の違い」について、お伝えします。

この記事を読んでいただくことで、「新型コロナウイルスに関する中国・日本・フィリピンの現状」、「コロナウイルスの正体」、「フィリピンと日本における対策の違い」などを、理解できるはずです。

新型コロナウイルスはなぜ怖いのか

「新型ウイルスに感染してもゾンビにはなりません」

Twitterにこのような投稿をしたのは、マレーシアの保健省です。2月3日のAFP通信によると、新型コロナウイルスの感染者はゾンビ化するとの情報がマレーシア内で広がり問い合わせが相次いだため、保健省がデマを否定し、「感染しても回復できる」と広く知らしめるためにTwitterを利用したとのことです。

ここまで来ると余りにも荒唐無稽(こうとうむけい)なため、一笑に付して終わる情報のようにも思えますが、果てのない社会不安が高じるなか、マレーシアの人々が「感染すればゾンビ化する」と信じた心情は、なんとなく理解できます。

中国では厳しい情報管制が敷かれていますが、現地からの情報は中国のSNS weiboやYouTubeなどを通して漏れ伝わってきます。

人口1100万を誇る大都会である武漢市の商店街が無人となった光景は、それだけで十分にうすら寒いものを感じさせます。すべての商店がシャッターを下ろし、静まりかえった街並みは、人がいないと言うだけで廃墟のように見えてくるから不思議です。

ときどき歩いている人を見かけますが、その足取りはどことなく覚束(おぼつか)ないように見受けられます。ふらついたかと思いきや路上に突然倒れ込み、そのまま息絶えるという衝撃的な瞬間を捉えた動画も出回っています。

なかにはフェイクも混じっているのかもしれませんが、ニュースを通して連日流れてくる動画が社会不安を煽っている面は否定できません。

これらの動画から、ゾンビとの戦いを描き大ヒットした米国ドラマ『ウォーキングデッド』を連想するのは、それほど難しいことではありません。

感染者がゾンビ化するとの情報は、非日常的なニュースが繰り返されるなかで、それなりのリアリティを持っていたといえるでしょう。

このマレーシアのゾンビ騒動は、新型コロナウイルスの本質を適確に表しています。このウイルスの何が怖いのかといえば、その正体が不明なことだからです。

1月9日に発見されたばかりの新型コロナウイルスは、人類が初めて接する新種のウイルスです。そのため、感染力や致死率をはじめ、感染の経路、変異が起こりうるのかどうかなど、まだ確としたデータが揃っていません。

感染の動向をつかむためには、時間が必要です。データが十分に集積するまでは、本当のところは誰にもわかりません。

新型ウイルスという得体の知れない危険なものに対して恐怖を覚えるのは、人の本能です。その実態がつかめないからこそ、怖さはより増幅されます。

恐怖が完全に取り除かれるのは、新型コロナウイルスの正体が判明したときです。

一定期間を経て集まったデータの解析を終えてみれば、「幽霊の正体見たり枯れ尾花」のごとく、インフルエンザに毛が生えた程度のウイルスであるかもしれません。

もちろん、その逆もあり得るわけで、凶悪なウイルスと烙印(らくいん)を押される可能性もないわけではありません。

しかし、現状、中国の武漢周辺はともかく、中国のその他の地域や世界各国での症例を見る限り、ことさら過敏に恐れるほどのウイルスでないことは、ほぼ予想できる状況にあります。

この記事を書いている時点でわかっていることをもとに、新型コロナウイルスとフィリピン留学に関する真実について、見ていきます。

中国の武漢で今、何が起きているのか


新型コロナウイルスの集団感染が確認されたことを受け、1月24日の午前10時より、人口1100万人を擁する武漢市が完全封鎖されました。列車やバス、飛行機やフェリーなど全ての交通機関の運行は停止され、武漢中心部では全ての一般車両の走行が禁止されています。

いかに人権に関する意識が薄い中国とはいえ、大都市を丸ごと封鎖するという荒技は建国以来初めてのことです。これがどれほどの異常事態であるかは、日本の都市に置き換えてみると、わかりやすいです。

日本で武漢ほどの人口を擁する都市といえば、2020年1月の推定人口が960万人を超える東京都です。もし、武漢のように東京が完全封鎖されたならばと想像してみてください。

地下鉄も電車もバスも全てが止まり、路上から車が消え、商店街はシャッターを下ろし、自宅からの外出は制限され、どの街並みもほぼ無人となった都内の光景は、想像するだけでも不気味です。厳しい検問が敷かれ、一歩たりとも都内から外へ出ることはできません。

映画やドラマのなかでしか見たことのない、世界の終わりを思わせるような異常事態ですが、武漢市では今、リアルタイムに進行しています。そのことが世界に与えた衝撃は、極めて大きなものでした。

しかも都市の封鎖は武漢市だけに留まらず、湖北省一帯にまで広がっています。日本の人口のおよそ半分に当たる人々が、封鎖された都市に閉じ込められていると推定されています。

封鎖から2週間が過ぎた今、武漢周辺では何が起きているのでしょうか?

結論から言えば、武漢で起きているのは「医療崩壊」です。新型コロナウイルスによる集団感染が瞬く間に広がり、感染者、もしくは感染したかもしれないと不安を抱える人々が病院に一気に押し寄せたため、どの病院でもまともな医療を提供できない状況に陥っています。

感染者の数は病院のキャパシティを完全に超えています。医師や看護師の数は、まったく足りていません。初期において医師や看護師も感染したため、現場はさらに混乱しています。

ベッドも医薬品も不足しており、まともな治療を行える状況にはありません。重症に陥った感染者の多くは、死を待つばかりの悲惨な状況です。

最早患者を受け入れることができないため、感染を疑われる人に対する検査も行われていません。本来は隔離すべき患者を自宅に戻すよりなく、そのことが更なる感染拡大を招くという悪循環に陥っています。

その地域に暮らす人々にとって医療崩壊は、死活問題です。緊急に治療を必要とするのは新型ウイルスの感染者だけではありません。定期的に人工透析を受けなければいけない人もいれば、心臓疾患や脳梗塞に陥っている人もいるはずです。

しかし、医療が崩壊している以上、病院はあっても適確な治療という病院本来の機能は果たせていません。医療崩壊が多くの武漢市民の死を招いています。

習近平体制になって以来、中国国内の情報は厳しく統制されているため、漏れ伝わる武漢市内の様相は限定的なものに留まっています。それでも監視の網をくぐり、ネットを通して「助けて」と叫ぶ武漢市民や医療従事者の切実な声が、SNSやYouTubeを通して世界中に発信されています。

これらの情報からは、武漢が地獄の様相を呈していることがうかがえます。そのことが新型ウイルスに対する恐怖感を、より強めています。

それでも私たちは、今一度冷静になって考えてみる必要があります。繰り返しますが、現在武漢で起きていることは「医療崩壊」です。

医療崩壊によって生じる惨禍と新型ウイルスの脅威とは、本来は分けて考えるべき別の問題です。

たしかに武漢は新型ウイルスの蔓延によって医療崩壊という最悪のシナリオに陥りましたが、医療システムが充実している日本をはじめとする各国で同じことが繰り返されるとは限りません。

たとえ新型ウイルスが猛威を振るったとしても医療崩壊を避けることができれば、武漢のような惨状は呈しない、ということです。

武漢が医療崩壊に至ったのは、新型ウイルスに対する対処を間違えたからです。

なぜ武漢は、新型ウイルスの蔓延を許してしまったのでしょうか?

なぜ拡散したのか

大都市を丸ごと封鎖しなければならないほどの集団感染が発生した一番の原因は、中国政府、及び武漢市による隠蔽工作が行われたためです。

武漢で原因不明の肺炎患者が最初に報告されたのは、昨年の12月8日です。このことは一切公表されることなく時が過ぎました。

ところが12月30日、武漢でアウトブレイク(感染症の突発的発生)が起きていることを内部告発する公文書がネットに流出します。中国内での内部告発は、身柄拘束を覚悟しなければならないほど危険な行為です。今日では、この内部告発を行った李医師は中国で英雄扱いされています(李医師は2月7日未明、新型コロナウイルス感染による新型肺炎によって亡くなりました)。

李医師がもたらした情報により、武漢で原因不明の肺炎が広がっているらしいとの噂が中国国内に伝わりました。感染源は百種を超える食用野生動物を販売している華南海鮮城市場とされています。

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https://m.mingpao.com/pns/要聞/article/20200116/s00001/1579113945063/內地不排除新病毒有限人傳人-夫婦染疫妻未去過海鮮城-港專家憂另有疫點より引用

中国当局は長江日報の記者に市場を取材させ、「武漢で市場の秩序は保たれ、多くの人が買い物をしている」と平時と何一つ変わらないことを報じさせ、噂を否定しました。

しかし、その翌日、中国のメディア第一財経が衝撃的な報道を行います。綿密な取材により、ネットに流出した文書が本物であることを確かめたと報じたのです。この報道をきっかけに、「武漢肺炎」がアウトブレイクしていることが広く知られるようになりました。

市民の声に押されるように華南海鮮城市場が封鎖されたのは、1月1日です。この時点ですでに27人の感染者が確認され、そのうち重篤(じゅうとく)に陥っている患者が7人もいました。

それでも公安当局が事実を隠そうと動いたことは、内部告発をした李医師ら8人が「肺炎について事実でない情報を流した」として警察に身柄を拘束されたことからもわかります。

その際、公安当局は「デマを広め秩序を乱す行為は許されない」との声明を出しています。このことは、中国内で政府の望まない真実を伝えると犯罪者扱いされることを、如実に表しています。

2003年、SARS(重症急性呼吸器症候群)のアウトブレイクが確認された際も中国は情報を隠蔽(いんぺい)し、世界的な非難を浴びました。今回もその教訓は活かされなかったようです。

12月8日に初めてアウトブレイクが報告されてから3週間も過ぎてから、市場の消毒など、ようやく武漢は本格的な感染防止対策に入りましたが、遅きに失したことは明らかです。

なにもしないでいる間に、新型コロナウイルスは次々と感染者を増やしていきました。

その間、病院に肺炎患者があふれているとの情報がネットに何度か出回りましたが、その直後に発信者のアカウントが削除されることが繰り返され、当局によって情報の隠蔽が行われているのではないかとの噂が駆け巡りました。

問題となったのは「ヒトからヒトへの感染が行われるかどうか」です。武漢市は医療現場に箝口(かんこう)令を敷き、感染がじわじわと広がっているにもかかわらず「ヒトからヒトへの感染はない」と嘘の情報を流し続けました。

そのため、武漢市民に新型ウイルスを警戒する意識は薄く、マスクを着用することなく出歩き、人が集まる様々なイベントが予定通り催されました。折りしも1月25日からは中国のお正月である春節だったため、武漢から数百万の人々が流出しています。

ウイルスが拡散するには、まさにうってつけの環境が整っていたことになります。初期の段階において新型ウイルスを封じ込めるどころか、放置することで拡散を招いたことは、取り返しの付かない失態となりました。

習近平がようやく動いたのは1月20日です。新型ウイルスの拡大防止の徹底を指示し、情報隠蔽に対しては厳罰に処すと発表されました。

すると上海や北京、広東などから続々と感染者を確認したとの情報があがってきたのです。厳罰に処すと言われ、隠し持っていた情報をあわてて提出したことは想像に難くありません。つまり、情報は隠蔽されていた、ということです。

こうした情報の隠蔽は武漢市長をはじめとする地方の役人の判断によって為されたのか、それとも中央からの指示に地方は従っていただけなのか、いまひとつはっきりしません。

体よく地方行政に責任を転嫁するのは中国共産党の常套(じょうとう)手段であるだけに、真実は闇のなかです。

いずれにせよ新型ウイルスが重篤な肺炎を引き起こすことを認知していながら、それをなぜか隠蔽し、なにひとつ感染防止策をとることなく無策のまま放置し、大都市を封鎖しなければならないほどの緊急事態にまで悪化させた武漢市の行政責任は、極めて重いといえます。

新型コロナウイルスはどの程度の脅威をもたらすのか

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https://jp.sputniknews.com/science/202002097091984/より引用

原稿を執筆している現時点では、まだ新型コロナウイルスの全貌(ぜんぼう)は明らかになっていません。とりあえず今のところ、判明していることだけを記します。これらの情報はあくまで暫定(ざんてい)的なものであり、今後、修正される可能性があることに注意してください。

コロナウイルスの「コロナ」とは、ギリシャ語で「王冠」を意味します。なぜ「王冠」と名付けられたのかと言えば、顕微鏡でウイルスを観察すると表面に突起が並び、王冠のように見えるからです。

コロナウイルス自体は、けして珍しいウイルスではありません。あなたも私も過去にコロナウイルスに感染したことがあるかもしれません。

人に感染するコロナウイルスは、これまでに6つの種類が確認されています。そのうちの4つは、ごくありふれた病気を引き起こします。それは「風邪」です。軽い鼻風邪の10~15%はコロナウイルスが原因とされています。

特別な持病がない限り風邪を恐れる人は、あまりいないことでしょう。その意味では4種類のコロナウイルスを恐れる必要は、まったくありません。

問題は残る2種類のコロナウイルスです。

その2つとは、SARS(重症急性呼吸器症候群)とMERS(中東呼吸器症候群)です。この2種類のコロナウイルスは致死率が高く、感染すれば命の危険にもさらされます。

今回、武漢で発見された新型コロナウイルスは、人類が出くわした7番目のコロナウイルスになります。

ここで問題となるのは既存の6種類のコロナウイルスに比べて、「新型ウイルスがどの程度の脅威をもたらすのか」ということです。

SARSとMERSの怖ろしさを経験しているだけに、新型コロナウイルスに対して警戒感が強まるのは当然です。感染者数にしても死者数にしても、新型ウイルスはすでにSARSとMERSを上回っているだけになおさらです。

現時点で、新型コロナウイルスの脅威はどれほどなのでしょうか?

ウイルスの脅威を計るために用いられる指標は2つあります。

ひとつは「病原性」、もうひとつは「感染力」です。

「病原性」とは感染した患者の症状を重くさせる度合いを意味し、その指標として用いられるのは、感染した人の何割が死亡したかを示す「致死率」です。

史上、もっとも致死率の高かったウイルスは西アフリカなどで広まったエボラウイルスで63%です。先にあげた2種のコロナウイルスでは、SARSが9.6%、MERSは34.4%です。

WHO(世界保健機関)のまとめによると1月30日の時点で新型コロナウイルスの致死率は 2.2%とされています。つまり、新型コロナウイルスの致死率は、エボラやSARS、MERSと比べて格段と低いことがわかります。

それでも一般的なインフルエンザの致死率が0.02~0.4%といわれているだけに、油断すべきでないことはもちろんです。

コロナウイルスとインフルエンザ比較
https://honkawa2.sakura.ne.jp/1955.html

*データ元によって多少数字が異なりますし、今後も変わる可能性があります。

ただし、新型コロナウイルスの致死率を算出するにあたって武漢の感染者数と死亡者数が大きなウェイトを占めています。すでに武漢が医療崩壊しているだけに、そのデータの信憑(しんぴょう)性には疑問が残ります。

感染者を見分ける検査さえ、まともに行えていない状況にあるだけに、公表されているデータは実数とかけ離れていると考えられます。専門家のなかには実際の感染者は10倍を超えると指摘する声もあります。

分母となる感染者数が増えれば、致死率は格段と下がります。実際のところ、武漢を除けば新型コロナウイルスの致死率はかなり下がることがわかっています。

新型ウイルスに対して十分な警戒をすることは当然ですが、実態以上に恐怖を募らせる必要はありません。私たちに必要なのは、正しく恐れることといえるでしょう。

次に「感染力」ですが、これは1人から何人の人に感染を広げることができるかを示す指標が用いられます。

WHOによると新型コロナウイルスの感染力は1.4から2.5と見積もられています。インフルエンザの数値は2から3のため、インフルエンザほどの感染力はないと推定されます。感染力については、まだ詳しいことはわかっていません。今後の動向次第です。

では、新型コロナウイルスに感染した際の症状はどうでしょうか?

専門家によると、感染した際の症状としてはSARSなどと比べると比較的軽く、風邪やインフルエンザに近いとの見方が有力です。

感染したからといって、自覚症状がまったく出ない人も数多く確認されています。そのため、実際には新型コロナウイルスに感染しているものの、普段の体調と何一つ変わらないため本人も気がつかないうちに、自然にウイルスが消滅しているケースも相当あると考えられます。

感染後の自覚症状としては、せきや発熱、悪寒などが一般的です。悪化すると肺炎を引き起こすことがわかっています。

まだワクチンはないため、治療はもっぱら対処療法に限られます。現在のところ、体力の劣っている高齢者や持病をもっている人でなければ、新型コロナウイルスに感染したとしても適切な対処療法を受けることで、完治する可能性は高いと考えられます。

こうして検討してみると、新型コロナウイルスの実態がおぼろげながら見えてきます。

つまり、結論を言えば新型コロナウイルスは、それほど過敏に恐れるべきウイルスではないといえそうです。

日本とフィリピンの対策の違いとは

新型コロナウイルスへの対応は、各国ごとに違いがあります。ここでは日本とフィリピンにおける対策の違いについて見ていきます。

フィリピンの対策

まずフィリピンですが、世界各国に先駆けて敏速に行動を起こしました。ことに1月25日、リゾート地として名高いボラカイ島を訪れていた武漢出身の464人の中国人観光客を、予定を前倒しさせ、フィリピン政府が用意した特別機で強制送還させたことは、世界を驚かせました。

フィリピン内での感染拡大は許さない、とするドゥテルテ大統領の強い意志が示された強硬措置です。この英断はフィリピン国民から賞賛されています。

同時に武漢とフィリピンを結ぶ全線が停止されました。さらに1月28日にはフィリピン移民局により、中国人に対するフィリピン到着時のビザ発給が停止されています。

フィリピンでは国内での感染拡大を防ぐために、武漢から中国人を入国させない徹底した水際対策を敷いたことになります。新型コロナウイルスに関するフィリピンの初動は、世界各国と比べても早く、厳しいものでした。

それでも2月2日に武漢から観光に来ていた中国人の1人が、マニラの病院にて新型コロナウイルスを原因とする新型肺炎によって亡くなっています。だからといってフィリピンの医療に問題があったわけではありません。この中国人男性は感染前から持病があったため、急速に重度の肺炎を発症したとされています。

これを受けてフィリピンは、さらに強力な感染拡大防止策に同日、乗り出しました。これまでフィリピンでは、自国民を除く中国からの入国禁止措置の対象を湖北省のみに限定していましたが、これを中国全土に拡大しています。さらに中国全土はもちろん、香港とマカオからの旅客機の乗り入れを禁止する措置をとっています。

現在、事実上、中国から渡航を希望する全ての外国人(永住ビザ取得者は除く)はフィリピンに入国できなくなっています。フィリピンは日本とは比較にならないほど厳しい水際対策を実施することで、感染の拡大防止に努めています。

日本の対策

一方、日本ですが、フィリピンをはじめとする世界各国の対応と比べると、かなり遅く、なおかつ甘いとの印象を拭いきれません。

厚生労働省のwebサイトに「新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)」と題したページがありますが、2月7日時点版で次のようなQ&Aが掲載されています。

問3 水際対策はどのようなことを行っていますか?

新型コロナウイルス感染症は、現在「検疫法第2条第3号にある政令(検疫法施行令)」で指定される感染症です。そのため、この感染症の罹患(りかん)疑いのある患者は、空港や港湾の検疫所で感染していないかの確認を受けることになります。

検疫法上行える措置は、検疫官などによる質問、医師による診察、必要と認められる検査、(機内・船内)消毒などです。

現在は、中国全土でこの感染症が流行している事を受けて、日本の水際対策は、中国からの到着便・到着船について全員質問票による聞き取り、ポスター掲示による自己申告の呼びかけ、健康カード配布による国内二次感染などのリスクの軽減などを行っています。

厚生労働省「新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)」より引用

フィリピンでは武漢から訪れた観光客を強制送還し、中国全土からの入国を禁止しているとき、日本の水際対策は質問票と「自己申告」と記載されています。

実際にはサーモグラフによる発熱の検査が行われているようですが、要は発熱さえしていなければ質問票の「異常なし」にチェックをつけておきさえすれば、入国できることになります。

「自己申告」は、まさに性善説に基づいたシステムといえます。

それでも2月1日からは、日本もようやく中国からの入国制限に踏み切りました。

当面の間、14日以内に湖北省における滞在歴がある外国人、湖北省発行の中国旅券を所持する外国人については、特段の事情がない限り、症状の有無にかかわらず、その入国を拒否しています。この措置は、今後の進展によって弾力的に見直す可能性があります。
厚生労働省「新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)」より引用

つまり、入国制限は中国全土からではなく、集団感染の発生が認められる湖北省のみとなります。

フィリピンをはじめ、アメリカ・オーストラリア・シンガポール・インドネシアなども中国全土からの入国拒否に踏み切っています。

各国が湖北省のみではなく中国全土に制限をかけたのは、すでに新型ウイルスは湖北省に留まることなく、中国全土に広がっていると見なしているためです。

先に武漢から数百万の人々が流出したことにふれましたが、そのなかには感染者も相当数ふくまれていたはずです。湖北省を封鎖したところで、もはや中国全土への感染者の拡散は避けられない状況にあると専門家は見ています。

実際、上海や北京をはじめ、中国各地で感染者が報告されています。各国が感染を防ぐために中国全土からの入国制限を行うことは理に適っているといえそうです。

本来であれば中国から近い日本も、各国と足並みを揃えて中国全土からの入国禁止を打ち出せばよさそうなものですが、そうはできない事情が日本にはあるようです。

なぜなら日本は経済において、中国と相互に深く依存しているからです。日本にとって中国は最大の貿易相手国です。中国にとっても日本はアメリカに次ぐ2番目の貿易相手国です。

そのため、人の往来も活発です。中国全土に入国制限をかけ人的交流を停止すれば、経済が下降する要因になると経済界から圧力がかかっています。

中国外務省の報道局長はアメリカが入国制限をかけたことに対し「親善の行動ではない」と批判する一方で、日本の対応については「中国に多大な同情と理解、支持を寄せてくれている」と評価しています。

しかし、中国から評価される反面、諸外国からは日本が危機管理にまともに対応できない国とみなされ、信用を失っていることも忘れるべきではありません。

徹底した水際対策を行えず、中国に次ぐ感染者数(豪華クルーズ船での集団感染を日本での感染者とカウントした場合)を出している日本を各国のメディアが冷ややかに見ていることは、日本の対策を嘲笑するかのような風刺画に表れています。

ミクロネシア連邦・ニウエ・ツバルの太平洋3カ国が中国ばかりでなく日本からの入国制限に踏み切ったことには注意が必要です。このような動きが今後広がるようなことがあれば、日本にとって計り知れない損失につながるかもしれません。

リアルタイム統計データのURLはこちら

・世界のリアルタイム統計データ
https://gisanddata.maps.arcgis.com/apps/opsdashboard/index.html#/bda7594740fd40299423467b48e9ecf6

・フィリピン国内のリアルタム統計データ
https://ncovtracker.doh.gov.ph/

ドン山本
ドン山本
その後、持ち前の放浪癖を抑え難くアジアに移住。フィリピンとタイを中心に、フリージャーナリストとして現地からの情報を発信している。

監修サイト:日本とフィリピンの第二次世界大戦

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