留学する際の持ち物として、スマートフォンは今や必須のアイテムですよね。
しかし「現地で自分のiPhoneで電話できるの?」「スマートフォンを使って調べものをしたいけれど、インターネットは使える?」などさまざまな疑問があるのではないでしょうか。
そこで、今回は日本からフィリピンにスマートフォンを持っていた場合の通信方法と現地での電話方法についてご紹介します。
目次
1.日本のスマートフォンはそのまま海外で使えるか?
docomo、au、Softbankの大手キャリア3社はどれも海外での使用に対応しており、普段使っているスマートフォンを海外に持って行ってそのまま使うことは可能です。
しかし、この方法は手軽であるものの、通話料金やデータ通信(データローミング)の料金が非常に高額となるため、おすすめできません。
2.データローミングとは
データローミングとは、「自分の加入している通信キャリアの電波が届かない場所に行った場合に、各キャリアが提携している現地の携帯会社の電波を使って通信できるようにする」こと。
この機能のおかげで、海外でも手持ちのスマートフォンで通話やインターネット接続が可能になります。データローミングには特別なプランなどに加入する必要もなく、端末の設定でオン・オフを切り替えられるため非常に手軽です。
これは契約しているキャリアの電波をスマートフォンが常にキャッチしているためです。
しかし、日本で契約しているパケット定額制が適用されない、通話料が高額になるなどのデメリットもあります。
例えば、docomoのiPhoneで通信した場合、docomoが提携しているSMARTの通信を使ったとしても(自動的に切り替わる)、下記の料金が必要となります。
1.2MBから14.6MBまでは一律2,000円となっていますが、モバイル版のYouTubeで約5分の動画を見るだけで10.5MB程度のデータ量は消費しますし、Skypeのテストコールに30分かけるだけでも16MBが必要ですので、長期の滞在には足りない容量だといえます。
http://www.bmobile.ne.jp/am/about_500mb.html
また、自分がインターネットを利用していなくても、バックグラウンドでアプリが勝手に通信を行ってしまう場合があり、気づかないうちに大量のデータ通信を行ってしまう恐れがあります。
大手キャリア3社はどれも海外でのパケット放題プランなどを用意していますが、docomoを例に挙げると1日の利用料が2,980円となっているなど割高感が否めません。
・iPhoneの場合
・androidの場合
イモトWiFiのHPより
3.フィリピンでネットを使いたい
それでは海外で、リーズナブルな価格でインターネットを使いたい場合はどうしたらいいのでしょうか。そこで必要になってくるのがWi-Fi(ワイファイ)です。
フィリピンをはじめとする東南アジアではカフェやレストランなどで積極的に無料のWi-Fiが提供されており、通信料金を気にすることなくインターネットが利用できます。
3-1.ネットをたまに使う程度の場合
セブ島では、ほとんどの語学学校内ではWi-Fiが使えますし、ホテル内のレストランやロビー、宿泊施設にはもちろん完備されています。また、街なかのカフェやレストランでも無料Wi-Fiが提供されています。
このように、日本とは違い無料Wi-Fiに恵まれているので、たまにインターネットを使う程度であればこれらを使えば問題ありません。インターネット検索のほかアプリのダウンロードもできますし、少し時間はかかるものの動画も視聴できます。
学校のWi-Fiを使えば、授業中に調べ物もできます。ただし電波が弱い場合もあり、オンライン通信を行うアプリは使えないこともあります。そのため、オフラインでも使える辞書アプリは授業前にダウンロードしておくとベターです。
▶フィリピン留学中に役に立つ!おすすめ英語辞書アプリランキング
3-2.留学中、いつでもどこでもネットを使いたい場合
無料Wi-Fiはお金もかからず利用しやすいのですが、提供されている場所でしか使うことができません。その場所から離れてしまうと、通信は切れてしまいます。日本と同じように街のどこでも自由にスマートフォンを使いたい…と思われる方は、現地でSIMカードを購入し、現地のプランに入ることをおすすめします。
①「SIMカード+プリペイド」でネットが使えます
SIMカードは、スマートフォンや携帯電話を使って通信するために必要なカードのことです。皆さんの手元にあるスマートフォンや携帯電話にも必ず入っています。日本では機器を購入する際にお店のスタッフがあらかじめ装着してくれることが多いため、その存在を知らない方も多いようです。
SIMカードには固有のID番号が割り振られていて、それを端末に装着して初めて、各端末の電話番号などを認識できるようになります。スマートフォンや携帯電話にとっての身分証明書のようなもの、と考えると分かりやすいかもしれません。
日本から持ってきたスマートフォンであっても、SIMカードを入れ替えれば現地の通信回線を使うことができます。
しかし「海外で買ったSIMカードをそのまま差し込んで使えるの?」と疑問に思われる方もいるでしょう。そうなのです。海外のSIMカードをご自身のスマートフォンで使えるかどうかは、お手持ちの端末がSIMフリー端末かどうかがポイントとなります。
②SIMフリー端末とは
docomo、au、Softbankの大手キャリアが販売するスマートフォンは、契約したキャリアのSIMカードしか認識しないような仕組みになっており、これを「SIMロック」と言います。docomoで購入したスマートフォンにauのSIMカードを装着しても、使用できないようになっているのです。
ところが2015年5月1日、「SIMロック解除の義務化」がスタートし、ユーザーが希望した場合に事業者はSIMロック解除に応じなければならなくなりました。また、これに応じてSIMロックを解除できる端末も発売されるようになりました。
これの端末を「SIMロック解除機能付き端末=SIMフリー端末」と言います。このSIMフリー端末には好きなSIMカードを装着することができ、海外のSIMでも問題なく動作します。
基本的に2015年5月以降に発売された機種であれば、SIMフリー端末であると考えて問題ありません。iPhoneであれば「iPhone 6s」以降の端末が相当します。
SIMフリー端末を持っている場合は、契約しているキャリアに連絡してSIMロックを解除してもらう必要があります。自分の携帯がSIMフリー端末かどうかも含め、問い合わせるのが一番早いでしょう。
注:docomo、softbank、auのそれぞれのショップで購入した場合、購入から半年間はSIMロックの解除が出来ません。
Appleや家電量販店などでキャリアを通さず直接SIMフリー端末を買った場合は、元々SIMフリーのためSIMロックを解除してもらう必要はありません。
③SIMカードを購入しよう
フィリピンでSIMカードはどこでも買えますが、データ容量が選べるなどプランも多く初心者は悩むと思います。そのため、空港で売られているものを買うほうが、旅行者用のプランが絞られていて分かりやすいです。
また、フィリピンではSIMカードとプリペイドカードが別になっています。短期旅行であれば空港でセットになったものを買えば問題ありませんが、長期滞在の場合には料金を追加でチャージするためにプリペイドカードの追加購入が必要となります。
毎月の引き落としなどではなく、使う分だけをその場で購入するロード式で、100MBから100ペソ(約220円)単位で購入できます。
それ以外では999ペソ(約2,300円)で30日間使い放題(実際は1日800Mまでの上限あり)というプランがSMARTから提供されています(※2017年4月時点。今後プランは変更の可能性あり)
▶︎フィリピンのプリペイドSIM購入・ロード・利用方法を徹底解説!
④SIMカードを購入する際の注意点
SIMカードを購入すれば、どこでもインターネットが使えるようになり大変便利ではありますが、プランが多く購入手順も分かりにくいという難点があります。
また、プリペイドカードを使ったチャージの仕方も分かりにくいです。特に999ペソで使い放題のプランは自力では非常に分かりにくいので、店員さんにやってもらうようにしましょう。そういった意味でも空港での購入がおすすめです。
また、SIMカードにプリペイドしてロードをした後は、SMSの送受信や通話もできるようになります。ただし、その分チャージしたプリペイドの残高が減るのでご注意を。
⑤テザリングをすれば複数に繋げられる
スマートフォン以外に、タブレットやパソコンなどを持参する方もいらっしゃるでしょう。Wi-Fiがあれば、どの機器も同時にインターネット接続することができますが、Wi-Fiがない場合にはどうしたらよいのでしょうか。この場合には、スマートフォンのテザリング機能を使います。
⑥テザリングとは
テザリングとは、通信端末を内蔵したモバイルコンピュータを使って、他のコンピューターなどをインターネットに接続することです。簡単に言うと、スマートフォンから電波を飛ばして、タブレットやパソコンなどをインターネットに接続することができます。
iPhoneをはじめメジャーなスマートフォンにはテザリング機能が付いているので、フィリピンでもスマートフォンにSIMカードを装着していれば、日本と同様にテザリング機能を使うことができます。
4.フィリピンで電話を使いたい
次は電話をする場合の方法についてお話します。海外から電話をかける場合に想定される通信先は「日本」「フィリピン国内」の2つが主になると思います。それぞれに適した方法があるので、ひとつずつ見ていきましょう。
4-1.日本に電話をかけたい場合
日本にいる家族や友人に連絡を取りたいという場合、電話が最も簡単です。手持ちのスマートフォンを使って国際電話をかけることも可能ですが、最初に説明したように電話料金が高額になってしまいます。
さらに気を付けなければならないのは、着信した場合にも料金が発生するということ。電話を受けるだけなら無料と思いがちですが、それは日本国内での話。海外では電話を受信するだけでも料金がかかってしまうのです。
そこでおすすめなのが、LINEやFacebook、Skypeなどの無料通話機能を使う方法。Wi-Fiの環境下であればこれらのアプリも問題なく使えます。
また、Skypeはお金をチャージしておけば、国際電話番号に直接電話をかけることもできます。通常の国際電話よりも安い料金で通話できるため、相手がSkypeを使っていない場合や携帯電話に直接電話したいときなどに便利です。チャージ金額も1,500円もしくは3,500円から選べます。
4-2.フィリピン国内に電話をかけたい場合
この場合も手持ちのスマートフォンや携帯電話で通話することはできますが、やはり料金が高くなってしまいます。日本に電話する場合と同じく、Wi-Fiが使える場所でLINEなどの無料通話機能を利用するか、電話機能のみの携帯電話なら現地で安く購入できるので検討してもよいでしょう。
現地で携帯電話を買う場合は、スマートフォンの時と同様にSIMカードやプリペイドカードを購入してセッティングする必要があります。
▶︎フィリピンのプリペイドSIM購入・ロード・利用方法を徹底解説!
スマートフォンをいろいろ操作するのが面倒…という場合の、とっておき解決法!
これまでいろいろと説明してきましたが、SIMカードだのロック解除だの、スマートフォンをごちゃごちゃと触るのが面倒!という方もいらっしゃると思います。
そんな方におすすめの方法はこちらです。
5.簡単にネット接続するならポケットWi-Fi
スマートフォンの設定などを変えるのが面倒であれば、ポケットWi-Fiをレンタルするという手があります。ポケットWi-Fiとは「モバイルWi-Fiルーター」のことで、この機器を介してスマートフォンやタブレット、PCなどをインターネットに接続できます。
この方法は特にSIMフリーのスマートフォンを持っていない方におすすめです。事前に日本でレンタルする方法と、現地で入手する方法があります。
5-1.日本でポケットWi-Fiをレンタルして持ち込む
現在はさまざまな業者がポケットWi-Fiをレンタルしており、オンラインで申し込みや支払いをして空港で受け取ることができます。
例えばイモトのWi-Fiなどは1日680円からの定額料金制となっています。しかしこれも短期旅行であればおすすめですが、2週間以上の旅行となると、ややコストが高く感じます。
フィリピンでもちゃんと「接続できるかどうか」についてはこちらで↓↓
5-2.現地でポケットWi-Fi購入する
フィリピン国内でも大型のショッピングモールなどでポケットWi-Fiが購入可能です。価格はおよそ5,000ペソ(約1万1,000円)前後。やや値は張りますが、長期滞在の場合はレンタル料を毎日払うよりもこちらがおすすめです。
しかも、SIMカードを入れ替えれば他の国でも使えるので、後々海外旅行などで回るとすれば充分に元はとれるでしょう。現地で購入した場合も、本体のほかにSIMカードとプリペイドカードを購入する必要があります。
5-3.学校で借りる
語学学校によってはポケットWi-Fiを貸し出してくれるところもあるので、聞いてみるのもいいでしょう。
まとめ
海外で手持ちのスマートフォンが使えるかどうかは、渡航前の大きな心配事の一つだと思います。友達や家族との連絡手段としてはもちろん、学校の調べものに使ったり出先でGoogle Mapを見たりと日々の生活に欠かせないツールですよね。
フィリピンでは日本と違いWi-Fiが非常に発達しているので、インターネットに全く接続できないということは起こりませ。しかし、日本と同様に快適にインターネットを使いたいという希望がある場合は、ちょっとした工夫が必要になります。
また、電話をする際にもWi-Fiに接続できる環境であれば、無料通話アプリなどを使ったほうが断然お得になります。
これらの分野に詳しくない方は難しく感じるかもしれませんが、仕組みさえ分かってしまえばとても簡単に、そして自分に合った方法で通信できるようになります。
留学中にインターネットのことでストレスを感じることのないよう、あらかじめ準備してから行きたいものですね!ぜひ参考にしてみてください。
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