集中してマンツーマンレッスンを受けることで英会話力が伸びること、地理的に日本から近いこと、さらに他の海外留学に比べて圧倒的に低価格であることから、フィリピンセブ島留学は高い人気を得ています。
実際のところ、留学前は英語をほとんどしゃべれなかった人が、セブ島留学後は流暢に英会話ができるようになって周囲を驚かすことも、珍しくありません。
それでも未だに、ネイティブではないフィリピン人から英語を教わることを不安に思う人もいるようです。「フィリピン人の英語の訛りや発音は本当に大丈夫なの?」と心配する声を耳にします。
そこで今回は、フィリピン人の英語力を客観的に検証するとともに、英会話初心者が英語を学ぶ際にネイティブかフィリピン人のどちらから習うことが理にかなっているのか、および英会話を習ううえで本当に重要なこととは何かを追いかけてみます。
1.EF英語能力指数に見るフィリピン人の優れた英語力
フィリピン人の英語力を正しく判断するために、客観的なデータを見てみましょう。毎年、非ネイティブ圏の国ごとの英語力をランキング形式で公表している、世界的に有名なデータとして「EF 英語能力指数(EF EPI)」があります。
このランキングは、オンラインで無料提供されている英語テスト「EFSET(エフセット)」を世界112ヶ国・地域の約200万人が受けた結果に基づいて算出されています。
最新にあたる2021年度の国別ランキングは、次の通りです。
フィリピンは世界ランキング第18位と、かなり高い位置に付けています。
フィリピンよりも英語力が高いと評価された国は17ヵ国ありますが、そのほとんどが欧米圏に属していることを考慮すれば、フィリピンの英語力が特別に秀でていることがわかります。
欧米圏にはもともと英語に近い言語をもつ国が多いため、英語の習得は早くて当たり前といった面があるからです。
それでもフィリピンの順位は、英語教育が盛んなフランスやスイスを上回っています。
アジアだけを見ると、フィリピンの英語能力指数はシンガポールに次ぐ第2位です。
実はアジアの成人の英語能力平均は、ヨーロッパに続く世界第 2位を占めています。アジア圏に暮らす人々の英語力が伸びている理由として、貿易の促進とテクノロジーを身につけることが国の経済力を決定づける今、英語に秀でた人材が求められていることをあげられます。
アジアの多くの国では、英語に秀でることが豊かな生活を約束する糧(かて)となっています。
このように、英語熱が高いアジア圏で堂々2位の成績を残していることは、フィリピン人の英語力がずば抜けて高いことを証明しています。
なお、アジアは他の地域に比べて英語力の格差が大きいことも、データとして示されています。
ちなみに日本は、アジアの底辺に位置しています。2020年度は世界第55位でしたが、2021年度は大きく順位を下げ、78位にまで後退しています。
フィリピン人と日本人の英語力には、比較にならないほどの差があるといえます。
2.英会話初心者は誰から英語を習うべきか
フィリピン人の平均的な英語力は、世界規模で見ても上位です。しかし、アジアに位置するフィリピンは英語ネイティブ圏ではありません。
英語に限らず、ネイティブと非ネイティブの発音には、どうしても埋めることのできない溝があります。英語ネイティブとフィリピン人の発音にも、違いがあります。
だったら初めから、英語ネイティブから英語を習った方がよいのではないかと思うかもしれませんが、ちょっと待ってください。
実は英会話初心者が英語ネイティブから英語を教わるのは、効率のよい方法とはいえません。
このことを理解するために、野球を例に考えてみましょう。
いつかは自分も大リーガーになりたいと夢見る野球初心者がいたとします。
プロを目指すからには初めからトップ大リーガーの指導を仰ぐのが一番よいだろうと考えた彼は、世界が認めるトッププロである大谷翔平選手から直接指導を仰ぐことにしました。
もちろん現実的にはあり得ないことですが、あくまで「もしも」です。さて、その結果はどうなるでしょうか?
バッティングにかけても、ピッチングにかけても世界トップの大谷選手から初心者が直接教わることで、果たして劇的な変化は見られるでしょうか?
残念ながら、その見込みは、ほぼゼロです。バットやボールの正しい握り方さえもわからない状態で大谷選手に学んだところで、特別に得られることなど、ほぼないはずです。
なぜなら、大谷選手がもつ高度なテクニックを手取り足取り教わったとしても、初心者が習得できるはずもないからです。
大谷選手のもつパフォーマンスをわずかでも吸収するためには、アマトップレベルに近い実力がなければ、そもそも無理と考えられます。野球初心者では大谷選手のポテンシャルを活かしきることなど、絶対にできません。
将来はアメリカに渡ってプロを目指そうとも、野球初心者がまず身につけるべきことは、野球の基本に変わりありません。
バットの握り方などの基本を身につける際に、わざわざ大谷選手から教わる必要などありません。近くにいるアマチュア選手や野球コーチから教われば十分に事足ります。
実は英語を習う際にも、まったく同じことがいえます。
将来は英米圏でも通じる英語を身につけたいと思っているとしても、英会話初心者がまず身につけるべきは英語の基本です。
英会話の基本を、英語のプロフェッショナルである英語ネイティブから教わる必要はありません。フィリピン人から教わる方が、よほど効率的です。
生まれながら英語に親しんでいるネイティブとは異なり、フィリピン人の大半は母国語とは別の外国語として英語を習い、上達した人たちです。
ですから、英語を習得するうえで苦労したことやつまずきやすい箇所などを自らの体験として熟知しています。こうした実体験があるため、フィリピン人は英会話初心者の気持ちを汲み取ることができます。
英会話の基本を教える際、フィリピン人の方がネイティブよりも上手といわれるのは、そのためです。
さらに、費用の面でも大きな開きがあります。フィリピン人から教わる方がはるかに格安であることは、説明するまでもありません。
英語ネイティブからマンツーマンレッスンを受けようと思えば、フィリピン人の何倍もの費用がかかります。
それなら、英語ネイティブ1回分の費用で、フィリピン人から3回なり5回なりのレッスンを受けた方が、よほど効率よく英語を学べます。
英語を話せるようになるうえで重要なのは、英会話の練習量です。より多くのレッスンを受け、より多くの英会話をこなすことで、より早く英会話を習得できます。
だからこそ、英会話初心者にはフィリピン人から英会話を教わることをおすすめします。
3.英会話を習ううえで本当に重要なこととは?
では、英会話初心者がフィリピン留学で成果を出すために、最も重要なこととはなんでしょうか?
その答えは、教え方の上手な先生に教わることです。
フィリピン人の大半は大家族のもとで育っているため、もともとホスピタリティにあふれています。レッスン中に同じ間違いを何度繰り返そうとも、明るく優しく丁寧に接してくれるため、生徒が不愉快な思いをすることは、まずないはずです。
それでも、教え方の上手い先生もいれば、下手な先生もいます。
フィリピン留学ではマンツーマンレッスンが中心のため、先生の教える力量によって英語力の伸び具合が、大きく異なります。
このことは、欧米留学との際だった違いです。欧米留学ではグループレッスンが組まれるため、先生が誰かは重要ではありません。
しかし、先生と2人だけで面と向かって長い時間を過ごすフィリピン留学では、先生の質によって英語を話せるようにもなれば、たいして成長した実感をつかめないまま終わることもあります。
フィリピン留学では先生の質が、極めて重要なのです。
実際のところ、語学学校ごとに評判の良い先生とそうでない先生がいます。また、評判の良い先生の割合や数は、語学学校によって明らかに差があります。
ここでいう「評判の良い先生」とは、先生の性格や容姿も少なからず影響しますが、何にも増して評価の対象となっているのは、ひとえに教え方が上手いかどうかです。
ですから、できるだけ評判の良い先生、つまりは教え方の上手い先生が集まっている語学学校を選べば、英会話力の伸びる可能性が広がります。
では、教え方の上手い先生が多いのか少ないのかを見極めるには、どうすればよいのでしょうか?
最も簡単で確実なのは、先生の研修をしっかりと行っている語学学校を選ぶことです。先生の教え方が上手いかどうかは、研修期間に大きく左右されるからです。
ですから、先生を正社員として採用している学校を選ぶことが重要です。パートタイムやアルバイトの先生ばかりを採用している学校では、まともな研修ができるはずもありません。
このことは、リアルのフィリピン留学ばかりでなく、オンライン英会話にも共通します。
英会話力を身につけるために必要なことは、研修をしっかりと受けている先生に教わることです。そのことは英会話初心者にとって、費用が安いかどうかよりも何倍も重要です。
たしかに格安価格で提供されているオンライン英会話もありますが、そもそも価格を低く抑えられるのは、アルバイトとして先生を雇用することで人件費を浮かしているからです。
そのため、格安オンライン英会話では先生の研修が行われていないか、あるいは行われていてもおざなりなため、教え方の上手い先生はごく少数に限られることが一般的です。
費用だけを優先すると、本来の目的である「英語をしゃべれるようになる」との目標から遠ざかることになりかねません。
英会話力の向上を目指すのであれば、しっかりとした研修が行われている学校を選ぶことを検討してみてくださいね。
その指標として、まずは先生を正社員として雇用しているかどうかを確認することをおすすめします。
また、語学学校のホームページを見ることで、実際に行われている研修期間や、先生たちのもっている資格が公表されていることもあります。ぜひ、こうした情報も合わせて検討してみてください。
フィリピンの語学学校一覧はこちらに掲載しています。
→フィリピンセブ島留学語学学校【再開校】一覧表
まとめ
フィリピン人は英語ネイティブではないため、ネイティブの発音と比べると、違いがあります。
しかし、英会話初心者がまず学ぶべきことは、英会話の基本です。英会話の基本はネイティブからではなく、フィリピン人から習った方が理に適っています。
その方が同じ費用で大量のレッスンを受けられるため、上達が早いからです。
つまり、英会話のできない人が「英語を話せるようになる」夢を適えるための近道は、ネイティブではなくフィリピン人から英語を教わることです。
その際、最も優先すべきことは、教え方の上手な先生から教わることです。
教え方が上手いかどうかは、語学学校での研修具合によります。先生をパートやアルバイトとしてではなく、正社員として雇用している学校を選べば、きちんとした研修が施されているため、教え方の上手い先生が多いと考えられます。
同じ費用、同じ時間をかけても、先生の質によって英会話力の伸びは異なります。英会話初心者ほど、できるだけ教え方の上手い先生が多く在籍する語学学校を選ぶことを、おすすめします。