フィリピン留学と言えばセブやバギオが有名ですが、あまり知られていない穴場の留学先として「イロイロ」があります。
聞き慣れない都市名ですが日本語の語感からすると一風変わっているだけに、すぐに覚えられることでしょう。
実はイロイロは外国人留学生を受け入れるために早くから学校が開設された都市であり、いわば「フィリピン留学の草分け」と呼んでもおかしくないほどの長い歴史をもっています。
もともとイロイロは多くの有名大学が集中する学園都市として栄えただけに、教育環境においてフィリピン最高レベルにあります。
有名大学の学生が多く暮らしているからか、治安の良さはフィリピンでも一二を争うほどです。安心して英語学習に没頭できることでしょう。
さらにあらゆる物価が学生に合わせて安く抑えられているため、留学費用をできるだけ節約して長期留学したい方にとってはうってつけです。
今回はイロイロという都市がどんな場所なのかを紹介しながら、イロイロ留学の魅力を掘り下げてみます。
イロイロ留学の特徴
教育都市として繁栄
イロイロの最大の魅力は、フィリピン屈指の教育都市として栄えてきたことです。
40を超える大学のほか多くの専門学校や語学学校も集中しているだけに、教育機関の数ではフィリピンの他の都市を圧倒しています。
さらに、教育の質にかけても他の追随(ついずい)を許しません。日本の東大に当たる国立フィリピン大学や「最難関私立大学」の呼び声高いフィリピン中央大学、西ヴィサヤ州立大学など、いわゆる名門大学のキャンパスがイロイロに点在しています。
国連が保健や教育、所得の面から国や地域ごとの平均達成度を測る指標として定めた人間開発指標(HDI)があります。この指標の教育部門の数値を比べてみると、フィリピン全体では 0.88 なのに対し、イロイロは 0.942 となっています(引用:https://www.ryugakumap.jp/philippines/philippines-iloilo)。
イロイロの教育水準がフィリピンのどの地域よりも高いことは、統計でもはっきりと示されています。
優秀な大学が多いため、世界中から多くの外国人留学生がイロイロに集います。そのため、町の人たちの外国人留学生に向ける視線は優しくフレンドリーです。留学生にとって居心地のよい町であることは、間違いありません。
語学学校を飛び出せば、街中ですぐに大学生と出会うことができます。他の都市に比べて英語が堪能な学生が多いため、語学学校のレッスンで鍛えた英語を試すには最適な環境といえるでしょう。
講師の質が高い
イロイロにある語学学校の講師は、かなり質が高いと評判です。これには明確な理由があります。イロイロの語学学校の講師は、イロイロにある名門大学の卒業生で占められているからです。
名門大学を出ても就職先を見つけるのが難しいフィリピンにおいて、語学学校の講師は人気の高い職業のひとつです。
人気が高いだけに、名門大学を出ているという肩書きだけでは、なかなか就職できません。一際優れた英語力を有し、なおかつ教え方の上手い人だけが採用されます。
そのため、イロイロの語学学校の講師の質は自然に高くなります。
どの講師に当たっても教育水準が高いことは、教わる側にとっての大きなメリットです。質の高い講師が正しい英語を教えてくれるため、イロイロの語学学校では授業に関するトラブルがほとんどないと言われています。
コースが充実、かつカリキュラムのカスタマイズが可能
イロイロ留学はフィリピン留学の草分けといわれるだけに、老舗の語学学校が多く存在します。ですが、セブと比べると語学学校の数では見劣りします。
地方都市の語学学校は数が少ないため、一般的なコースしか設けられていない傾向が強いようです。なにかに特化したコースを作っても、利用客が少ないために経営が成り立たないためです。
ところが学園都市として発展してきたイロイロは例外です。イロイロの語学学校には基本から学びたいビギナー向けのコースもあれば、親子留学やTOEICの試験対策に特化したコースも充実しています。
留学生の求める英語力はさまざまです。イロイロ留学は伝統的に、留学生の求める様々な英語力に応える努力を続けてきました。
語学学校自体は少ないものの、イロイロ留学であれば自分に合ったコースを見つけられることでしょう。
もうひとつのイロイロ留学の特徴は、あくまでマンツーマンの授業を基本としているため、個人の希望を聞き入れたカリキュラムを提供してくれることです。
たとえばTOEICの試験対策に特化したコースをとっていても、IELTSの試験対策もフォローしたいと希望すれば、一人ひとりの目的に合わせてカリキュラムをカスタマイズしてくれます。
自由度の高さはイロイロ留学の特徴の一つです。個別に最適なカリキュラムを提供できるだけのスキルを講師がもっているからこそ、可能になったことといえるでしょう。
ただし、英語学習に集中するために「スパルタレッスン」や「スパルタカリキュラム」を組みたい方には、イロイロ留学は不向きかもしれません。
学園都市であるイロイロでは、上から押しつける学習法を嫌う傾向があります。授業が終わった後の外出は自由な語学学校がほとんどで、自習についてもあくまで個人の意志を尊重するため、強制することはありません。
セブ島留学などでは「スパルタ」を掲げる語学学校もあります。平日の外出は禁止されていたり、テストの点数が一定水準を下回ると補講の受講が義務づけられている語学学校もあります。もちろん、スパルタ式が嫌な人は、そういう学校を選ばなければよいだけのことです。
セブ島留学ではスパルタ式を選ぶ自由も選ばない自由もありますが、イロイロ留学ではスパルタ式は期待できません。スパルタ式を前提に考えている方は注意が必要です。
物価・留学費用が安い
イロイロはフィリピンのなかでも物価が安いエリアとして知られています。
マニラやセブのような都会では人件費が高騰しているため、あらゆる物価が高くなりがちです。ですがイロイロは人件費が安いため、都会に比べて物価が安く抑えられています。
街の主役は学生のため、学生向けの良心的な価格が設定されていることも、イロイロの物価を引き下げることに貢献しています。富裕層や観光客が多い地域と比べると、その差は歴然としています。
おおよその物価水準ですが、食料品や雑貨はフィリピンの大都市と比べて2~3割安いです。
食費は学校で全て食べれば必要ありませんが、外食すれば1回につき100ペソ(200円)前後で、ちょっと贅沢にお酒を飲んでも150~250ペソ(300~500円)あれば余裕です。
長期留学を検討している場合は、イロイロ留学であれば大幅なコストカットを期待できそうです。
またイロイロ留学の授業料は、セブ島や他の地域の語学学校よりも安い傾向にあります。イロイロ留学の費用は、1ヶで平均10〜15万円ほどです。語学学校によっては10万円以下のところもあります。
物価や授業料が安いことは、イロイロ留学の魅力のひとつです。
施設環境では妥協も必要
イロイロとセブやマニラとの一番大きな違いは住環境です。地方都市と大都会の差は日本でもありますが、発展途上国のフィリピンだけに、その差はかなり大きいと覚悟した方がよいでしょう。
Wi-Fiなどインターネット環境にも、明らかな差があります。そもそもフィリピンはインターネットのインフラ整備が遅れており、日本のようにサクサクとネットに繋がることは期待できません。
しかも地方都市のイロイロとなると、常時ネットに繋がるとは限りません。イロイロ留学では「Wi-Fiにつながりにくかった」という声をよく聞きます。繋がったとしても低速です。
ネットに高速で繋がることが当たり前の生活を送っている日本人にとって、イロイロのWi-Fi環境はかなりのストレスにつながるかもしれません。
語学学校の校舎や寮、附属施設等の環境にしても、イロイロとセブとでは大きく異なります。セブ留学ではホテルや高級コンドミニアムを使う語学学校もあります。寮にしてもホテル並みの利便性の高い住環境を整えた語学学校が、セブには複数あります。
しかし、イロイロの語学学校の建物は老朽化が進んでおり、寮にしてもお世辞にも「快適」とは言えない状況にあります。水道が壊れていたり、停電が起きることもあります。
見た目にも豪華で快適な住環境を望んでいるのであれば、イロイロ留学は避けた方が賢明かもしれません。良くも悪くも、フィリピンが発展途上国であるという事実を、イロイロ留学では再認識することになるでしょう。
もっとも「快適でない」ことが「不衛生」を意味するわけではありません。掃除や衛生については徹底しているため、セブと比べても大差ありません。
イロイロ留学では住環境で妥協することが必要です。
日本人が少ない
イロイロ留学は日本では、セブ留学やバギオ留学ほどの知名度がありません。認知度が低いため、どの語学学校も日本人留学生の比率は低く抑えられています。
短期間で本気で英語力を磨こうと思うのであれば、日本語を話す機会が少ないエリアを選ぶのも一つの方法です。
イロイロ留学であれば日本人留学生と出くわす機会も少ないため、半ば強制的に日本語が一切通じない環境に自分を追い込むことができます。
一方、海外留学が初めての場合は、トラブルに巻き込まれても日本語によるフォローを期待できないため、困ることになるかもしれません。
多少のことがあっても英語だけで乗り切る自信がないと厳しい環境です。
イロイロの基本情報
イロイロの場所と環境
イロイロはフィリピンの中央に位置するビサヤ諸島のパナイ島南岸にある都市です。
イロイロ市はイロイロ州の州都でもあり、西ビサヤ地区の政治や経済の中心地です。人口は44万人。フィリピンの中では9番目に人口が多い都市です。
地方都市にすぎないイロイロ市は、マニラやセブ市のような大都会と比べると田舎といった印象を受けるかもしれません。
しかし、田舎だからといって周囲が田園や森ばかりで囲まれているわけではありません。イロイロには大学をはじめとした教育機関が多いため、知的な雰囲気があふれています。
イロイロの主力産業は農業です。米やサトウキビ、マンゴーなどがとくに盛んに栽培されいます。良港に恵まれたため農産物の輸出も盛んに行われています。日本でよく目にするフィリピンバナナも、イロイロの港から出荷されたものです。
漁業も盛んで、ミルクフィッシュやエビの養殖に力が注がれています。農林水産業を中心とした、ほのぼのとした田舎町の雰囲気をイロイロはもっています。
しかし、近年は急速に都市化が進んでいます。そのきっかけとなったのは、2015年にフィリピンで開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)です。マニラやセブの大都市に加えてイロイロでも会議が行われ、大成功を収めました。
それ以来、イロイロはミスユニバースやASEAN会議等の国際的イベントの開催地として欠かせない存在になっています。
現在では国内最大規模のBPOセンター機能を有する都市として指定されるなど、フィリピンのモデル都市のひとつとして政府からのお墨付きを得て、更なる発展が見込まれています。
それに伴い、新たなコンベンションセンターやホテルをはじめ、大規模なビジネスパークやエンターティメント施設などの建設も進められています。
このように農林水産業を中心に発展を遂げたイロイロですが、近年は都市化が進んだことでニュータウンとしての顔も併せ持つようになっています。
2018年だけでも5つものショッピングモールがオープンし、利便性が一段と高まりました。SM CITY MALL・ROBINSON・MEGA WORLDなどのショッピングモールを利用すれば、留学中に必要な物を一通り揃えることができます。
食事から食料品の買い出し、コスメやブランド品の販売、本屋・美容院・映画館と、ショッピングモールに足を運ぶことでたいていの欲求を満たすことができるでしょう。
一方、市の中心部を外れると昔ながらの旧市街が広がっています。多くの屋台で賑わう通りを歩いているだけでも、十分に楽しめます。
日本からイロイロへの行き方
残念ながら日本からイロイロへの直行便は出ていません。そのため、イロイロへ渡航するためにはマニラかセブにて飛行機を乗り継ぐ必要があります。
国内線はマニラからイロイロまでが1時間弱、セブからイロイロまでは40分ほどです。日本からマニラやセブまでは4時間弱かかります。
乗り継ぎ時間によっては、もう少しかかる場合がありますが、マニラ-イロイロ間は1日15便ほど出ており、セブからの本数も多いため、それほど待たなくても大丈夫そうです。
それでも日本からの直行便があるセブやマニラに比べると、乗り継ぎの必要がある分、移動に時間がかかってしまうことが難点です。
イロイロの気候・天気
イロイロは亜熱帯気候で、6月から10月までが雨季、11月から5月までが乾季となります。雨季は当然ながら雨が多いものの、日本の梅雨のように1日中降り続けるわけではありません。時おりまとまった雨がスコールとして強く降り、すぐに止みます。
フィリピンを含め、東南アジアによく見られる気候です。
ただし、気候はマニラよりはセブ島に近く。4月から5月が一年で最も気温が高く、雨が少ないです。年間を通じて気温が22℃以下になることは、ほとんどありません。そこまで暑すぎず寒すぎず、1年中過ごしやすい気候が続くのがイロイロです。日本の夏の服装で1年中過ごすことができます。
とはいえ陽射しは強く、室内はエアコンが効きすぎて寒いと感じる場所もあるため、UV対策やエアコン対策は必須です。
地理的に恵まれているため、台風などの自然災害が少ないことも嬉しいポイントです。気候上の過ごしやすさでは、フィリピン留学のなかでイロイロ留学が最高レベルといってもよいでしょう。
ベストシーズンは乾季ですが、雨季でもそれほど過ごしにくくはないため、イロイロ留学の際には雨季・乾季は参考にする程度で十分です。
イロイロの治安
イロイロはフィリピンを代表する安全な都市として知られています。犯罪発生率も低く、新市街地はきれいに整備されています。
古くから学園都市として発展したため、学生にとって安全な街にしようと行政と市民が一体となって「NOカジノ、NOスラム、NOストリートチルドレン」を掲げ、真剣に取り組んできた賜物と言えるでしょう。
実際のところ、イロイロでカジノやホームレス、ストリートチルドレンを見かけることは、ほぼありません。
その意味ではイロイロは、フィリピンらしくない都市といえます。イロイロの治安は極めて高いため、日中であれば一人でショッピングに出かけても平気です。ジプニーにも安心して乗車できます(推奨はしませんが)。
治安の良さは「過ごしやすさ」に直結しています。その証拠に、2015年にはフィリピンの観光情報メディアにおいて「フィリピンでもっとも暮らしやすい都市」のナンバー1に選ばれたほどです。
治安の良さにかけては、フィリピンでイロイロ留学を上回るエリアはありません。
それでも、いくら治安の良いイロイロであっても、日本と同じレベルの治安を期待するのは間違っています。留学生が近寄らない方がよい危険なエリアもあるため、情報収集は欠かせません。
注意エリアとしてよくあげられるのは、アローヨ通りとスモールヴィレコンプレックスです。
アローヨ通りは、昼間はまず大丈夫ですが、気をつけるべきは夜です。暗くなると道が露露店で埋め尽くされます。露店の多くはローカルのバーです。人通りは多いですが、電気が通っていないため全体的に薄暗いです。スリには気をつけましょう。
スモールヴィレコンプレックスは、ナイトスポットです。ナイトクラブやパブが立ち並び、夜は不穏な空気に包まれます。できる限り近づかないいほうが良いです、特に女性、1人で訪れるのはやめましょう。
いずれにしても、貴重品の管理をしっかり行い、華美な服装をしないなど、基本的なことを守るようにしてください。
イロイロの交通・移動手段
イロイロ市内の交通手段は、タクシーとジプニー、トライシクルの3つが基本です。
ジプニーは乗り合いバスのこと、トライシクルはバイクの片側にサイドカーがついたような乗り物です。
タクシーに比べてジプニーとトライシクルを利用するには勇気がいります。ジプニーは言葉が通じないとどこに向かっているかわからない怖さがあり、トライシクルは初めに交渉する手間がかかります。
各交通機関の安全度はエリアごとに異なります。治安の良いイロイロでは、どの交通機関を利用してもトラブルに発展することは、ほぼありません。
どの交通機関を利用しても安全度が高いため、イロイロ留学の際には、これまで利用していない乗り物にチャレンジしてみると良いでしょう。
タクシーも初乗り運賃は30ペソ(60円)程度です。他のエリアと比べると10ペソ(20円)ほど安く設定されているため、気兼ねなく乗ることができます。
イロイロで暮らす人々の特徴
イロイロは「City of Love(愛の街)」と呼ばれるほど、和やかで優しい雰囲気に満ちています。
古くから外国人留学生を受け入れてきた街であるだけに、街の人は子供からお年寄りまで、ほぼ全員がフレンドリーです。留学生に対してはことに寛容で、誰に対しても分け隔てなく暖かく接してくれます。海外留学は初めての人でも、すぐに現地の人々と打ち解けられることでしょう。
イロイロの人々が使う言語は「イロンゴ語」です。柔らかいイントネーションが特徴で、言葉からも優しさを感じます。
しかし、イロイロにはビサヤ語やタガログ語を使う人もいます。かたや教育機関やビジネスの場では英語が基本です。
イロイロではさまざまな言語が飛び交っているため、初めは戸惑うかもしれません。もちろん英語は基本的に通じるため、心配いりません。
イロイロには有名なお祭りが2つあります。
1月にはディナギャン・フェスティバルが開催され、ドラム演奏と踊りが街を彩ります。
このお祭りでは全身を黒く塗った人々が派手な衣装を身につけ、市内数か所の審査会場でダンスを披露することで順位を競います。
激しいダンスと大音量のドラムは圧巻の迫力です。
もうひとつの祭りは4月末から5月末にかけて開催されるマンゴー・フェスティバルです。マンゴーが食べ放題となるため、国内外から多くの観光客が押し寄せます。
イロイロの人々は開放的な分、お祭り好きなのかもしれません。
イロイロの人気観光スポット
イロイロには世界遺産にも登録されているバロック形式の教会群があり、スペイン統治下時代の歴史をしのばせる歴史的建造物などが多くあります。少し足を伸ばせば、世界最高とも評される美しいビーチもあります。
イロイロ留学の合間に、週末を利用してバリエーション豊かな観光を楽しめます。
イロイロを代表する人気観光スポットを紹介します。
ミアガオ教会
イロイロ市内から西南方向へ車で1時間ほどで到着します。教会というよりは西洋中世の城のように感じられる建物です。
1778年〜1787年に建設された、堂々としたバロックロマネスク建築様式の建物は、世界遺産にも登録されています。当時はイスラム勢力との抗争が続いていたため、要塞として使われていたそうです。立派な外壁や荘厳な彫刻の数々が見どころです。
土日は現地の人たちが家族連れでお祈りに訪れるため、周辺の道が渋滞することもあります。時間に余裕をもって訪れるようにしてください。
ハロ教会
イロイロの中心部に位置するハロ教会は、パナイ島で最も歴史ある教会です。1874年に建てられて以来、西ビサヤ地方の教会の中心的な存在でした。
プラザ・リサル・ストリートを挟んで大聖堂と鐘楼(しょうろう)が別々に建てられている珍しい造りになっています。
教会のシンボルは、奇跡を起こすと伝えられる「ラ・カンデラリアの聖母像」です。この聖母像はイロイロ川のほとりで漁師によって発見されました。
その当時は1フィート(30.5cm)の大きさでしたが、不思議な現象が幾度か続き、その度に聖母像が大きくなったと伝えられています。その結果、現在は5フィート(152.5cm)の大きさになっています。しかも、不思議なのは、今もなお少しずつ大きく成長していることです。
噂を聞きつけたカトリック教会からも調査が入り、1981年に教皇ヨハネパウロ2世が正式に「奇跡」を認めました。フィリピンで唯一認められている奇跡の彫像です。
毎年2月には「ロウソクの聖母祭」が開催され、そのロマンチックな光景は女性に大人気を博しています。
モロ教会
イロイロ中心部のダウンタウンから3キロほどの距離にある教会です。珊瑚礁の外壁と赤い屋根のコントラストが美しく、まるで映画のなかの世界に足を踏み入れたかのようです。
教会の内部はゴシック・ルネッサンス様式らしい明かり取りの窓があり、幻想的な空間が広がっています。左右の柱には女性聖人像ばかりが16体並んでいます。女性聖人像だけで教会内が埋め尽くされているのは、フィリピンの教会のなかでも珍しい光景です。
なお、礼拝時間以外は勝手に立ち入ることを許されていませんので注意してください。
カレ・リアル
スペイン統治時代からある、歴史を感じさせる繁華街です。
とても大きな3階建ての建物があり、2階は当時のイロイロ市の重要人物たちの住居として使われ、1階は店舗として使われていました。店舗は現在も営業されています。
統治者によって建築物の様式も大きく異なり、それらが建ち並ぶ景色はイロイロの魅力の一つとなっています。
ギマラス島
イロイロから最も近いビーチリゾートです。イロイロから船で30~40分ほどの距離です。
ギマラス島の名産品といえばマンゴーです。「糖度22度」のマンゴーは世界で最も甘いマンゴーとして有名です。日本には輸出されていないため、ギマラス島に足を運ばなければ食べられません。
4月のマンゴー・フェスティバルではマンゴーが食べ放題となります。
ビーチリゾートとしてのアクティビティも充実しています。シュノーケリングやスキューバダイビングはもちろん、アイランドホッピング、洞窟体験、トレッキングなどが楽しめます。
なにをするでもなく、浜辺に横たわって海を眺めているだけでも、イロイロ留学の疲れをリセットできることでしょう。
アグホ島
イロイロ市の北東にある町、コンセプチオンからボートで1時間ほどの距離にある無人島です。コンセプチオンの観光局でアイランドホッピングツアーに申し込めば、簡単に行けます。
無人島ならではの人の手が入っていないビーチや海の綺麗さに、心が奪われることでしょう。大自然を満喫したい人には最適のスポットです。
ボラカイ島
イロイロからバスで5~6時間かかるため、けして気軽に行ける距離ではないものの、陸路だけでたどり着けることは大きなポイントです。
ボラカイ島のビーチは4kmに渡って続き、ことにホワイトビーチは「幻のビーチ」と絶賛されるほどの幻想的なまでの美しさに満ちています。「世界で最も美しいビーチ」と呼ばれる由縁です。
夕日に輝くサンセットビーチも、見る価値大です。
マリンアクティビティも充実しており、シュノーケルもあれば海中を歩くシーウォーク、空からパラシュートで海を見下ろすパラセーリングなど、様々なマリンスポーツを楽しめます。
イロイロ留学の際は、一度は訪れてみたいビーチです。
イロイロには歴史的建造物もあれば、世界一美しいビーチもあります。英語学習ばかりでなく、観光も十分に楽しめることでしょう。
イロイロの学校紹介
イロイロにある代表的な語学学校を紹介します。
GITC(旧C&C)
イロイロGITC校はイロイロ留学のなかでも最もTOEICコースに強い語学学校として知られており、別名「TOEIC専門学校」と呼ばれるほど、TOEIC対策について信頼されています。
TOEICとIELTSに関しては点数保証コースも設けられ、人気を集めています。たとえばTOEIC600点の人が8週間で800点まで上げることができるコースなどがあります。
ただし、授業は厳しく、イロイロ留学では珍しいセミスパルタスタイルを採用しています。予習・復習についても徹底しているため、それなりの覚悟も必要です。
イロイロで唯一のリゾート型語学学校でもあります。その分、場所は郊外ですが、イロイロでリゾート気分を満喫したい場合はおすすめです。
MK EDUCATION
2002年に創立されたMK EDUCATIONは、イロイロにある語学学校のなかでも老舗の学校として知られています。
高級ビレッジWestwoods Subdivision内にあり、2000坪余りの広大な敷地に、収容人数300人というイロイロの語学学校では最大規模の学校施設を有しています。広大なキャンパスには宿泊施設やジム、マッサージスパなど充実した施設が用意されています。
CPU大学の附属学校のため、大学内の授業受講も可能です。コースも充実しており、英語の基礎力を鍛えるESLコースから、点数保証つきの各種試験対策コース、インターシップコース、ワーキングホリデー対策のコースなどがあります。
講師全員がフィリピン政府公認の教育資格LETを取得しているため、授業の質の高さは折り紙付きです。
We Academy
アットホームな雰囲気で学べることが、We Academyの特徴です。定員60名のため、他の留学生ともすぐに打ち解けることでしょう。
学校は自習室や食堂など必要最低限の設備に抑えられていますが、その分、授業料がイロイロ留学のなかで最安レベルです。
イロイロ留学の語学学校のなかでは日本人比率が高く、おおよそ40%前後となっています。ただし、スタッフの日本語対応は不可です。
授業料は安価ですが、講師の質は高いとの口コミが多数寄せられています。
Columbus academy
イロイロ留学では、かなりスパルタ式に近い語学学校です。平日の外出は禁止されています。英語学習に集中したい場合は向いています。
カランメソッドを取り入れているため、スピーキングの成長スピードが速いと評判です。毎日、昼休みには20分間の瞬間英作文トレーニングも行われています。
2015年に建立されたばかりのため、学校や寮の施設は新しく快適です。そのためか、親子留学も目立つようです。
授業料は安価に設定されており、フィリピン留学のなかで最安値級です。生徒は韓国人と日本人が半々のことが多いようです。
Dream Language Center
日本人が少なく、いかにもイロイロ留学らしい語学学校です。
安価な授業料で質の高い授業を提供しているとの口コミが寄せられています。生徒数が少ないため、アットホームな雰囲気で学習を進められます。
講師によるきめ細かなチェックやアドバイスが特徴です。
イロイロ留学エージェント
イロイロとセブ島のどちらが向いているか、またイロイロのおすすめ語学学校を、留学エージェントに相談することもできます。
→【本当に信頼出来る】フィリピンセブ島留学エージェントまとめ
イロイロ留学の口コミ体験談
遊びの誘惑が少ないし、確実に自分の英語力の向上が感じられる
・お名前:白い文鳥さん
・ご年齢:29歳
・性別:女性
・職業と職種:派遣スタッフ
・留学した学校名:GITC
・受講時期と期間:2019年4月~6月
1 なぜイロイロに留学に留学しましたか?
友人がイロイロのGITCに留学してとてもよかったよと勧めてくれたからです。
初めての留学で右も左もわからなかったので、自分の知っている人が留学経験があってしかも楽しい留学だった、英語力がしっかりアップしたという結果を聞いて、それなら私もと思いました。
2 イロイロ留学の良かった点
フィリピンの中でも治安が良い場所というのがやっぱり大きかったです。それでも女性一人の留学なので夜間は外出しない、買い物の時もスリにはかなり気を付けてはいましたが。
校舎も宿泊施設もとても綺麗だったし、プールまで使えて大満足でした。とにかく綺麗な海が近くて、物価も安いし、もっと長期で留学したいなって思ったほどでした。
3 イロイロ留学のイマイチだった点
直行便がないのがちょっと不便だと思いました。乗り継ぎがあるのって面倒なんですよね。
あとは、学校がイロイロの中でもかなりはずれにあるので、徒歩で行けるところがあまりなかったのが不便でした。
4 総合評価・検討している方へメッセージなど。
遊びも兼ねてではなくて、留学中はしっかり勉強したい!勉強の成果をTOEICのスコアで実感したい!という人にはすごくおすすめです。遊びの誘惑が少ないし、授業以外にも毎日2時間絶対に自習しなければいけないので、授業で習ったことをしっかり復習できます。
教育水準が高いエリアで、講師陣の英語力も確かなので、かなりみっちり教えてもらえるし、確実に自分の英語力の向上が感じられると思います。実際セブよりも講師クオリティが高いという話も耳にしたことがあります。
また、Wifiがちゃんとつながる環境や、自習室と図書室など学習環境が整っているのも魅力だと思います。遊びに行きたい!と思った時には、ボラカイ島やギマラス島にも気軽に行けるので、週末のリフレッシュにも困りません。
まとめ
イロイロ留学の基本情報を紹介しました。
学園都市として学術の香りが漂うイロイロは、フィリピン留学の留学先として、かなり魅力的です。
「フィリピンでもっとも暮らしやすい都市」のナンバー1にも選ばれているだけに、快適な留学生活を楽しめそうです。治安の良さでもフィリピントップレベルだけに、安心です。
最近は一気に都市化が進んでいるため、大型ショッピングモールが増えるなど利便性も高くなっています。マニラやセブ市のような大都会には及ばないものの、日常生活を送る上で必要な施設はすべて整っているといってもよいでしょう。
学園都市としての伝統がイロイロの街に息づいています。なによりも嬉しいのは外国人留学生を受け入れることに、現地の人々が慣れていることです。フレンドリーな現地の人々が、暖かく留学生を受け入れてくれることでしょう。
さらに、フィリピン留学のなかでも授業料を含めて物価が安いことは、長期留学をする上で大きなポイントになります。
大都会よりも自然に触れられる穏やかな場所が良い方、できるだけ節約して長期留学をしたい方にとって、イロイロは有力な留学候補地になることでしょう。
あわせて読みたい:フィリピン留学・セブ島留学おすすめ語学学校【2023年版】